リバースモーゲージのメリットとデメリット


メリットとデメリット
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リバースモーゲージのメリットは、自宅に住み続けながら(売却しなくても)資金を調達できることが第一でしょう。自分が持つ資産をフル活用できるわけです。また、生きている間は、借入利息のみ支払えば良いのですから、年金だけが生活の支えとなる時期に負担が少なくて済みます。

また、配偶者がいる場合は「本人が死亡後も配偶者が住み続けることができる」としている金融機関が大半ですので、これも安心材料といえます。もし、精算時に借入額以上の価格で住宅が売却された場合は、金融機関が差額を返してくれるのも嬉しいところ。差額を受け取るのは、法定相続人です。

デメリットは、利息の支払いが死亡するまで続く点です。長生きした場合の利息負担の総額は徐々に多くなります。仮に借入額が1000万円で金利2.5%の場合、月の利息負担は約2万800円です。55歳時から90歳まで35年間借り入れが続くと、利息負担の総額は約870万円となります。もし、70歳時に借り入れるなら、90歳までに約500万円の支払いとなります。利用する年齢や、年金と生活費といった収支状況を考えながら利用額を検討すると良さそうです。

また借入額は、一般に自宅の担保評価の50~70%が上限となるため、いくらでも借り入れができるわけではありません。もっと大きな資金が必要な場合は自宅の売却を検討する必要があります。また、住宅の評価が引き下げられた時は、借入の極度額が下がるというリスクもあります。相続人が一括返済をしない限り住宅は売却されるため、基本的には相続人に家を残してあげることは難しいでしょう。ですので、トラブル回避のために事前に相続人に相談しておくことが必要です。なお、リバースモーゲージは、本人と配偶者のみの居所であるといった要件があるため、子や孫などの親族と生活している場合は活用できません。

加えて、もし住宅が借入額以下で売却となった場合、不足分を返済しなければならないデメリットもあります。これは、リコース型というタイプのリバースモーゲージの場合です。一方、ノンリコース型のリバースモーゲージなら、自宅が借入額以下で売却となった場合も不足分は請求されません。利用するリバースモーゲージがどちらのタイプかは、契約前のチェックポイントにもなります。

このように、リバースモーゲージは、人生100年時代を支える仕組みとして注目されています。何事もメリットとデメリットがあるため、活用時には両者を照らし合わせながら検討しましょう。