インフラ投資の拡大

電力不足や交通渋滞などの問題は依然として残っているインドでは、政府が本腰を入れて高速道路やメトロなどの整備に着手し、インフラ投資が急増しています。エンジニアリング、鉄鋼、セメントなど多岐にわたる業界が恩恵を受け、超大型プロジェクトが進行し、金融業界も融資を拡大しています。

また、2016年の高額紙幣の廃止により、銀行口座の保有率が急上昇したことで、クレジットカードやデビットカードの普及が進み、代表的なスマホ決済サービスであるPaytmも活用されるようになりました。このように、インドでは先進的な金融サービスも生まれつつあるのです。

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政治や地政学リスクなどの懸念も

このように、注目を集めるインドの株式市場ですが、予想外の外的ショックには注意が必要です。例えば2023年、インドでは「アダニ・ショック」と呼ばれる出来事が起こりました。米空売り投資会社ヒンデンブルグ・リサーチの調査をきっかけに、インドの巨大コングロマリット、アダニ・グループの不正会計・株価操縦疑惑が指摘され、インド市場に混乱が生じたというものです。

この出来事はアダニ・グループの株価急落と中核会社の公募増資撤回を迫られる事態に発展しました。投資家たちは、新興国株投資の怖さを実感したのです