日本の酒税負担率は各国と比べて高いのか?


比較
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今回の酒税法の改正によって、ビールや清酒などの税率は下がるものの、安価で楽しめる新ジャンルなどは軒並み値上げとなるため、全体的に厳しくなったと感じる方も多いのではないでしょうか?

そこで、日本の酒税負担率が他国と比較して高いのか低いのかを検証してみます。

主要酒類の税負担率の国際比較

内閣府税制調査会が平成17年11月の総会で作成した資料によると、日本、イギリス、ドイツ、フランス、アメリカの5カ国における主要酒類の税負担率は、以下のように報告されています。

ビール・・・日本(38.8%)、イギリス(34.5%)、ドイツ(17.6%)、フランス(25.6%)、アメリカ(15.9%)
ワイン・・・日本(10.4%)、イギリス(32.4%)、ドイツ(13.8%)、フランス(16.8%)、アメリカ(9.8%)
ウイスキーまたはブランデー・・・日本(22.8%)、イギリス(60.6%)、ドイツ(59.5%)、フランス(30.8%)、アメリカ(25.3%)

こうして比較してみると日本の場合、ビールは各国と比べ高いものの、それ以外の税率はかなり低く、特にウイスキーやブランデーなどの蒸留酒に関しては突出して低いことが分かります。

また、各国ともに、その国で消費が多い酒類の税率は高く、反対に少ないものについては低く抑えられている傾向があることが分かりました。

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酒税の節税を考えてみる


節税
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酒税は消費税と同じ間接税のため、最終的に税を負担する消費者が酒税の納税義務を負っているわけではありません。したがって、所得税や相続税のように、特別な節税スキームがあるわけではありません。

ですが、酒税の税率が高くなるのは、種類を問わず酒を嗜む筆者としても歓迎することは出来ません。そこで、ちょっと別の角度から酒税の節税を考えてみます。

こうすれば酒税が節税できる!?

酒税の税率は、対象となるアルコール飲料1klに対して、その種類ごとに以下のように細かく定められています。

引用元:財務省ホームページ「お酒にはどれくらいの税金がかかっているのですか?」より一部抜粋

上図のように酒税は酒類の「量」に対して税率を課す従量税であるため、1本500円のワインも、1本500万円のロマネ・コンティも酒税の1klあたりの税額は同じです。したがって、お酒の値段が安くなればなるほど、酒税の負担率が上がる特性を持っています。

そこで、この機会に「量より質」へ転換し、お酒の量を控え、浮いたお金でこれまでより高いお酒を飲むようにしてみてはいかがでしょうか?そうすれば、お酒に支出する総額を増やすことなく酒税額が節税でき、休肝日が設けられるため健康的にもなれます。

毎日300円のビールを1本飲んでいる方であれば、飲酒日を2日に1回に減らせば、毎回600円のビールが買えます。これなら、かなり美味しいクラフトビールが飲めるのではないでしょうか?

よろしければぜひ、お試し下さい。