年末調整でやるべきこと


硬貨とチェックリストのイメージイラスト
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それでは年末調整において、従業員側は何をすればよいのでしょう。ここでは年末調整でやるべきことについて順を追って解説します。

10月下旬ごろから開始

会社にもよりますが、一般的には10月下旬ごろから年末調整の作業が開始されます。まずは会社から従業員に対し、年末調整についての連絡と各種申告書が配布されます。

申告書を作成(必要となる書類)

従業員は、会社から配布された以下の申告書に必要事項を記入します。

・扶養控除等(異動)申告書
・基礎控除申告書
・配偶者控除等申告書
・所得金額調整控除申告書
・保険料控除申告書
・住宅借入金等特別控除申告書(該当者のみ)

必要に応じて申告内容を証明する書類(各種保険料の控除証明書など)の添付が必要になることもありますので、年末調整が近づいてきたら、加入している保険会社などから発行されている控除証明書などを整理し、準備をしておきましょう。

11月下旬頃に提出

作成した申告書を会社(経理部など)に提出します。一般的には11月下旬~12月上旬が提出目途とされていることが多いですが、こちらも会社によりますので、詳細は会社側が提示している期限をご確認ください。

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どの「所得控除」が適用できるかをチェック


ルーペで書類マークをのぞき、チェックを行うイメージ図
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年末調整では、以下の「所得控除」を申告することができます。

・基礎控除(全員)
・配偶者控除・配偶者特別控除
・扶養控除
・障害者控除
・寡婦控除
・ひとり親控除
・勤労学生控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・社会保険料控除
・小規模企業共済等掛金控除
・住宅ローン控除(2年目以降)

たとえば、16歳以上の子どもや配偶者以外の親族を養っている場合は「扶養控除」、生命保険に加入し保険料を支払った場合は「生命保険料控除」を適用できます。

所得控除により支払う必要のある所得税が減れば、余分に天引された分が戻ってくることもありますので、自分がどの所得控除を適用できるかもチェックしておき、漏れなく申告したいところです。

「医療費控除」「寄付金控除」「雑損控除」「住宅ローン控除(初年度)」の4つは確定申告

例外として「医療費控除」「寄付金控除」「雑損控除」「住宅ローン控除(初年度)」の4つの所得控除に関しては、年末調整では申告できません。もしサラリーマンの人でこれら4つの控除を適用したい場合には、別途、自主的に「確定申告」を行う必要があります。

この中でも「医療費控除」は身近なものであり、年間10万円以上の医療費が掛かった場合に適用することができます。控除できる医療費は、診察料、薬代、通院費など幅広く、また同一生計の家族のものも含められるため、医療費の支出が多かった年は確定申告も行いましょう。