今年も「年末調整」の季節がやってきました。会社から年末調整の連絡がありますが「自分は何をすればいいの?」と戸惑ってしまう方もいるかもしれません。

そこで当記事では、年末調整の仕組み、対象者、やるべきことなどについて、基礎から解説します。あらためて理解を深め、今年の年末調整に備えましょう。

年末調整とは?確定申告とどう違う?


山積みの書類と手続きをするオフィスの女性
【画像出典元】「 New Africa- stock.adobe.com」

まず、年末調整がどういうものかについておさらいします。混合しやすい確定申告との違いもおさえておきましょう。

年末調整とは?

「年末調整」とは、端的にいうと「所得税の過不足を精算する手続き」のことを指します。

会社から給料を貰うサラリーマン(従業員)の所得税は、毎月の給料や賞与から、あらかじめ「源泉徴収」として天引されています。しかし天引されている時点ではあくまで概算金額となり、年末にその年の所得総額が確定してから改めて精算する必要があります。経理部などが行うこの精算作業を「年末調整」と呼び、天引された額と差があった場合、還付もしくは追加徴収が行われます。

「所得控除」も適用される

年末調整では、単に所得総額をもとに再計算するだけでなく、各従業員から申告された「所得控除」を元に精算を行います。所得控除が受けられる方は、所得税をさらに抑えられることも(詳細は後述)。この所得控除を受けるため、該当する方は各種申告書に必要事項を記入し、経理部などへ提出することになります。

確定申告とは?

「確定申告」とは、個人で所得税等を計算して精算する手続きのことです。主に個人事業主、フリーランス、年金受給者などが対象です。個人の場合、サラリーマンのように会社が所得税の精算を行ってくれるわけではないため、自分自身で精算を行います。この確定申告は毎年2~3月頃に税務署に対して申告を行います。

なお、例外として、サラリーマンであっても確定申告が必要になるケースがあります。

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年末調整をする人、対象者

年末調整の対象は、会社勤めをしており、源泉徴収があり、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人です。

雇用形態は通常問われず、正社員だけでなく、契約社員やパート・アルバイトとして雇用されている従業員も、会社から給料を貰っていれば対象となります。

具体的には、以下のような条件を満たした人が年末調整の対象となります。

・自社で1年間(1月1日~12月31日)勤務した人
・途中入社で年末(12月31日)まで勤務した人
・1年間の途中で非居住者に該当した人(海外支店に転勤するなど)

なお、年末調整を行う前に他社へ転職した場合、年末調整は転職先の会社で行う形となります。その場合、前職の会社が発行した源泉徴収票が必要です。