給湯室で社長に告発

私が給湯室でお茶を入れていると、たまたま社長が通りかかりました。

「おお、よく帰ってきたな。久しぶり……って、何をしているんだ?」

私は、シズカさんに直接言われた内容を社長に伝えました。さらに、追ってきた後輩もその話を補足し、社員皆が彼女の振る舞いに困っていることや、法律違反すれすれの実害を告発したのです。

「知らなかった……」と頭を抱えた社長は、人事部長をすぐに呼び出し、事実確認のためにシズカさんのところに一緒に行くよう指示しました。

私も、しかるべき鉄ついを下すため、思いついた作戦を実行に移すことにしたのです。

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実は私…

私が総務部に戻ると、シズカさんは相変わらずスマホをいじっています。私が「お待たせしました」とお茶を差し出してようやく顔を上げたのですが、こちらを見て驚がくしたようです!

なぜなら、社員一同が立ち上がって私に深々と礼をし、その後ろには社長と人事部長も勢ぞろいしていたのですから。お茶を持ちながら、私は続けて言いました。

「お茶、どうぞ。あなたに逆らったら叔父の人事部長に伝わって即刻クビなのよね? それは困るかな……」

それを聞いた人事部長は慌てふためき、「な、なんてことを!」と、めいを叱りました。シズカさんは、「パートのおばさんにお茶頼んだだけでしょ?」と開き直っています。

そこで社長が私のことを紹介したのです。「正式発表前だが……。私は今期で退職する。次期社長は、10年海外支社で活躍したこの人だよ」と……。