私は50歳の会社員。仕事に人生を捧げ、10年前には海外支社へ転勤に。そこでも頑張った実績を買われて、このたびついに本社へ呼び戻されました。久々の本社は、若い人材を多く採用するようになり、活気に満ちた雰囲気です。またここで働けると思い、楽しみにして顔を出すと……?

気になる態度の人物を発見

10年ぶりの本社とあって、かつての後輩が社内を案内してくれることに。懐かしい顔ぶれとの再会を喜びつつ立ち寄った総務部の部屋に入ったところで、私はとある女性の態度が気になりました。

「あの子、ずっとスマホをいじっている様子だけど……。取引先と連絡している風でもないわね」

聞けばその人・シズカさんは、人事部長のめいっ子さん。いわゆるコネ入社の新人社員だそう。仕事をしっかりするなら入社の経緯は気にならないのですが、どう見ても意欲が感じられません。案内役の後輩いわく、誰かが勤務態度を注意すると、いつも「私の叔父は人事部長! 偉そうなことを言ったら、どうなるかわかっているの?」と脅迫まがいの物言いをするというのです。

おまけに、気に入らない契約社員さんやアルバイトさんに圧力をかけ、それが原因で辞めた人がいるほどだとか。しかし社長にまで話は行っていないようで、彼女は入社後今日までやりたい放題なのだそう……。

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私と目が合うと?

図らずも、シズカさんを見つめてしまっていた私。なんと、目が合ってしまいました。すると彼女はこちらにズカズカと近付いてきたのです。

「さっきから何? あんた新しいパート? 私の叔父は人事部部長よ。クビになりたくなければ、私には逆らうんじゃないわよ」と、まさに脅迫発言をしてきました。仕事をするしないの前に、人としてどうなのでしょう? 私があきれていると、横暴さはエスカレート。「そうだ、おばさん。私、のどが渇いちゃった。ちょうどいいからお茶を入れてきて」と言うのです。

案内をしていた後輩は慌てて制止しようとしましたが、私は、込み上げる怒りをぐっと飲み込んで「わかりました」と答えました。「給湯室はあっち。早くしてね」とニヤニヤ笑う彼女を残して、本当にお茶の用意をしに行ったのです。