アメリカに進出したSmartNewsの「その後」

ちなみに、周りに話を聞いてみると、SmartNewsを通勤時間に必ずチェックしているニューヨーカーの友人もいました。彼女はSmartNewsが日本発のサービスであることを知りませんでした。

SmartNewsは2014年にアメリカに進出し、利用者ごとの政治的観点からニュースにアクセスできる「News From All Sides」機能を設けたりすることで他社との差別化を図ったとされています。YouTubeにも広告出稿しているので、アメリカでもだんだんと知られるサービスになってきました。アプリについて「14年1月以来、世界中で約8100万回インストールされた」ということです。また「22年時点でもっともダウンロードされた国は日本(58%)とアメリカ(38%)」「世界中で月間アクティブユーザー数が3000万人、うち日本では2000万人、アメリカでは1000万人」と報じられています(参照 : 23年1月付テッククランチ)。

ただしこのような数字は約10~20%減少傾向にあり、アメリカと中国の従業員の40%、約120人のレイオフも発表されました。アメリカには一時期145名を超える従業員がいましたが、その後60名程度になったことも報じられ、アメリカでの経営の厳しさが伝わってきます。

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全米で最多ダウンロードのニュースアプリは?

【画像出典元】「Vector Stock Pro/Shutterstock.com」

アメリカで利用できるニュースアプリは玉石混淆です。そんな中、22年1~11月の情報になりますが、この国でもっともダウンロードされたニュースアプリは「NewsBreak」でした。続いてSmartNews、LocalNewsの名がラインナップされています。

この記事からもわかるように、キュレーションサイトのみならずCNN、FOXニュース、ニューヨークタイムズなどメディア単体のアプリも主流なのが、アメリカの特徴です。

LinkedIn (リンクドイン、米ビジネスピープルに人気のSNS)の23年9月付「10 Best News Apps for 2023(2023年のベストニュースアプリ10)」という記事も興味深いです。

今年のベストニュースアプリはこちらです(やはり、英BBCやニューヨークタイムズなど、メディア自体のアプリが強いのが特徴ですね)。

1. BBC News
2. Flipboard
3. Google News
4. Apple News
5. The New York Times
6. Ground News
7. CNN News
8. Reuters
9. Yahoo News
10. AP Mobile

この記事によると、平均して先進諸国に住む62%の人々がスマホアプリでニュースをチェックしているとか。また54%の人々がネット、特にSNS上でのフェイクニュースの拡散に懸念を示していることがわかります。

ほかにも、さまざまなニュースアプリやキュレーションサイトが利用されています。
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