トイレタンクの不具合…対処してもらえない時はどうする?

大家さんや管理会社に相談した後、なかなか対処してもらえなくて困っているというケースは少なくありません。
しかし、トイレタンクの不具合は、トイレが使えないだけでなく水漏れが悪化してしまう原因にもなります。
日常生活にストレスを感じながら過ごすことになるため、できるだけ早い修理が望ましいです。
ここからは、相談をしても対処してくれないという場合におすすめの方法をご紹介します。

再度催促を試みる

1度の相談でなかなか動いてくれない時は、もう1度催促してみましょう。
ここで大切なのが、どれだけ困っているかを分かりやすく伝え、緊急性を分かってもらうことです。
その後は、修理の手配を終わらせる日や修理予定日を細かく指定し、期限を伝えましょう。
その日までに修理ができない場合は、自分で業者を手配するといった旨を伝えるのも大切です。

自分で修理をする

簡単に直りそうな場合や、トイレを修理した経験があるという場合は、自分で修理を行いましょう。
しかし、修理を使用として状況を悪化させてしまったり、他の場所に不具合が出てしまったりと、リスクは高めです。
自信がない場合や専用のアイテムなどが必要な場合は業者に依頼するのが無難と言えます。

自分で修理会社に依頼をする

先ほど「自己判断で修理を行ってはならない」とご紹介しましたが、実は民法で「急迫の事情がある時」は自分で業者に依頼することが認められています。
相談したにも関わらずなかなか業者に依頼しないといった場合も該当します。
水漏れの被害が大きくなりそうな時や、緊急を要する時は修理会社に依頼しましょう。

費用の請求について

水漏れの被害が大きくなりそうな時や、緊急を要する時に業者に依頼した場合は、修理費を大家さんに請求できます。
ただし、領収書が必要になるため、大切に保管しておくようにしましょう。

修理をしないなら家賃減額を求められる

相談をしても修理してくれない場合は、家賃減額を求めましょう。
賃貸の設備にトラブルが起き、生活に支障が出る場合は、家賃の減額を求めることができます。
減額については、大家さんと話し合って決めていきます。
話が進まないという場合は、第三者を交えて話し合うことも視野に入れておきましょう。

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トイレタンクを自分で修理する方法

トイレタンクの仕組みや使われている部品の名称をご紹介します。
また、自分で修理する際の手順もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

トイレタンク内にある部品の名称

まずは、トイレタンクで使用されている主な部品を解説します。

ボールタップ

浮き球と連動し、給水栓の開閉を担う部品です。
浮き球とつながったボールタップが開くことで、給水管からタンク内や手洗い管へ給水されます。
給水系の要とも言える部分です。

浮き玉

タンク内にある水に浮かんでいる部品です。
ボールタップとつながっており、タンク内に水が溜まると浮き玉は上昇します。
すると、ボールタップの栓が閉まり、給水も止まります。

オーバーフロー管

筒状の管のことです。
細長い形状をしており、タンク内の水が規定量を超えた場合、便器へと排水する役割を担っています。
何らかの故障により、タンク内への給水が止まらなくなったとしても、水が溢れないようにしてくれる安全装置です。

フロートバルブ

タンクと便器間にある排水弁のことです。
通常は、タンクの底にある排水口にフタをし、水が便器に流れないように止めています。
レバーを回し、弁が外れるとタンク内にある水が便器へと流れます。

作業前の準備

「タンクに水が溜まらない」「給水が止まらない」など、不具合の症状は様々ですが、どのような場合でも作業前には必ず止水栓を止めてください。
止水栓は、タンクにつながる給水管の先にあります。
多くの場合、トイレ奥の壁もしくは床にあり、マイナスドライバーを使って、右回りに回すと閉められます。
止水栓を止める際、右に何回、回したか回数を覚えておきましょう。
回した回数がわかれば、作業終了後は同じ回数、左に回すだけで数位調整の必要がなく、元の状態に戻せます。
また、止水栓を止めたら、タンクのフタを外し、タンク内にある水位や浮き球の位置を確認してから、レバーを回し、水を抜くようにしましょう。
電源プラグがつながっている場合は、危険のないよう作業を始める前に抜いておきます。
濡れた手では決して触らないように気を付けてください。
なお、不具合により、部品の交換が必要な場合、必ず型番を確認し、同じものを購入するようにしてください。
型番がわからない場合は、実際に使用している部品を持っていくことをおすすめします。

ボールタップの交換方法

ボールタップを交換する際は、新しいボールタップとレンチを用意してください。
準備ができたら、以下の手順で交換作業を進めます。

① タンクと止水栓の間にあるナット2つをゆるめます。
②給水管とボールタップが外せたら新しいボールタップに交換します。
② 給水管との間にあるナットを閉めて固定したら、タンクのフタを戻します。
⑤止水栓を左周り回して開けたら、水が流れるか、ボールタップが正常に動作しているか確認してください。

不具合が解消されない、自分でするのは不安という方は、専門業者に依頼することをおすすめします。

オーバーフロー管の交換方法

オーバーフロー管に不具合が生じると、タンクに水がたまらない、あるいは便器に水が流れ続けるといった症状が起こります。
このような時は、オーバーフロー管を交換しましょう。
手順は、以下の通りです。

①レバーから鎖を外します。
③ 排水管のナットをゆるめると、オーバーフロー管を取り外すことができます。
④ 新しいものに交換したら、正常に動作するか確認してください。

オーバーフロー管にひび割れや破損が見られる場合、専門業者に依頼すると安心です。

フロートバルブと鎖を交換する

フロートバルブと鎖を交換する場合、新しいフロートバルブとレンチ、ドライバーを用意してください。
交換手順は以下の通りです。

①フロートバルブとレバーをつなぐ鎖を外します。
②オーバーフロー管の根本からフロートバルブを外し、新しいフロートバルブを取り付けます。
③レバーに鎖を取り付けたらレバーを回し、正常に動くか確認します。
⑤ 動作に問題なければ、タンクのフタを戻し、止水栓を開けてください。

鎖を交換する際は、鎖の長さにも注意し、以前と同じ長さにすると安心です。

水位の調整をする

水位を調整したい場合、水位調節リングの有無によって修理方法が異なります。
以下では、それぞれの方法を詳しく解説します。

水位調節リングがある場合の修理方法

水位調節リングがボールタップに付いている場合、リングを左右に回すと調節可能です。
オーバーフロー管にある水位基準線(WL)のメモリを確認し、水位を上げたい時は右方向へ、下げたい時は左方向に回してください。
リング1/4回すと、水位が約1cm上下します。

水位調節リングが無い場合の修理方法

水位調節リングが無いものは、浮き玉の支持棒を曲げて調整します。
用意するものはペンチです。
オーバーフロー管にある水位基準線(WL)のメモリを確認し、ペンチでナットをゆるめ、浮き玉を取り外します。
浮き玉の支持棒は水位を上げたい時は上に、下げたい時は下に曲げてください。
調整が完了したら、浮き玉を元の位置に戻し、ナットを閉めます。
止水栓を開いたら、水を流し水位を確認してください。

レバーの交換方法

レバーの交換では、新しいレバー本体とレンチを用意してください。
レバーの交換手順を解説します。

①レバーと鎖を外したら、タンク内にあるナットをゆるめ、レバーを引き抜いてください。
②新しいレバーにと付けたら、水漏れパッキン、ナットの順にタンクの内側に取り付けます。
③新しい鎖をレバーに取り付けたら、長さを調整してください。

鎖の長さを短くすると流れる量を増やせます。
反対に、鎖を長くすると、水の量を少なくすることが可能です。

ダイヤフラムの交換方法

ダイヤフラムは、給水管の水圧調整をする部品のことで、ボールタップに取り付けられています。
ダイヤフラムを交換する際は、新しいダイヤフラムを用意してください。
交換手順は以下の通りです。

①浮き玉を外します。
②キャップを外したら新しい部品と交換してください。

ダイヤフラムについているゴム製のパッキンは特に劣化しやすい部分です。
パッキンのみを交換することもできるため、タンク内でトラブルが起きた際は、まずダイヤフラムの状態を確認してみてください。