儲かったし売っちゃう? 投資を止めちゃう?

それでは逆に「もう投資を始めていて、かなり値上がりしているんだけど、どうすればいい?」という人はどうでしょうか。

興味があって2023年以前から投資をしていた人、あるいは2024年の1月にすぐ入金をして投資を始めていた人はすでに大きなリターンが得られています。15%、あるいは20%以上値上がりしている人も珍しくないはずです。

投資未経験者が勇気を出して10万円の投資をして、わずか数カ月で12万円になっていれば、その2万円を手元に残したくなります。ここから値下がりしたら、せっかくの値上がり分も消えてしまうとばかりに、慌てて売ってしまいたい気分となるわけです。

投資においてしんどいのは、値下がり、特に購入時の価格を割り込んでしまった「含み損」を抱えている状態です。ですから、利益が出ている段階で売却することを間違いとはいえません。

一方で、「売らずにいたら、もっと値上がりするかもしれない」という可能性を自分なりにどう判断するか、自問自答してみてください。

「今売ったとして、この先もっと値上がりしたら後悔するかも」
「今売ったとして、この先もっと値上がりしたら、怖くて新しい投資はできなくなるかも」
「今すぐに、投資資金を売らなければいけない、お金の使い道は特にない」

というような人は、投資を続けていくことも選択肢です。可能であれば、毎月一定額の購入を続ける積立投資を継続していきましょう。新NISAのつみたて投資枠が積立投資に最適の枠となっています。

また、売る場合であっても、全額を売却するのではなく、部分的に売ることを考えてみましょう。先ほどの「2万円儲かっている」という状態なら、その2万円分だけを売却し、10万円の投資を続けていくようなイメージです。

投資信託を購入している場合、売却は好きな割合(口数)で指定することができます。こうすれば「値上がりした部分だけは現金化しつつ、最初に投資をした金額はこれからも投資を続けていく」ということになります。

この先、1万円くらい値下がりしても「全体ではまだプラス」となりますし、この先でさらに値上がりしたら「全体ではさらに利益が出ている」ということになります。

一時的に値下がりする時期もあるかもしれませんが、投資を続ける、ということを意識してみるといいでしょう。

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34年前のことなんか知らない世代、前向きに投資と向き合っていこう

ライフプラン3.0世代あるいはZ世代の皆さんからすれば、ニュースがさかんに、バブル後の最高値を突破と報じることに正直違和感があると思います。「34年前とか、知らないよ!」という感じでしょう。

最近の人気ドラマである「不適切にもほどがある!」の主人公は1986年から現代にタイムスリップしてきていますが、まさにバブル経済のまっただ中です。当時はタバコを往来で吸うのは当たり前だし、パワハラ、セクハラ発言を悪びれないオッサンがたくさんいました(女性は就職活動でも差別的な扱いだった)。たぶん、そんな笑いを示されても「そもそも笑いどころが分からない」という感じでしょうが、「34年ぶり…」のニュースを読む感覚はこれに近いかもしれません。

バブル景気の時代と現代を比較すれば、何をどう考えたって現代のほうがちゃんとしていて、豊かな生活を送っています。「バブル期はよかった…」と懐かしそうにいうアラ還(アラサーのさらに上で、還暦である60歳の前後にあたる55~65歳世代)のことなんかほっておいていいのです。

若い世代のみなさんたちは、「バブル期の栄光を34年ぶりに取り戻した」とか、「長い低迷期をようやく脱した」のような論調にあまり引きずられなくてもいいと思います。今は、今なのです。

これから投資をスタートする人は「今がスタート地点」だと考えて、無理のない範囲で投資と長くつきあってみていただければと思います。

みなさんが今暮らしている生活をよりステップアップしていくことができれば、自ずと経済は成長し株価は上昇を続けていくことになるでしょう。

※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。