春蘭の育て方


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日本に自生している春蘭は、日当たりと通風、水やりに注意すれば、鉢栽培も難しいことはありません。ここでは春蘭の基本種について、育て方を解説します。

鉢植え


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春蘭は水はけと通気性をよくする必要があるので、鉢底穴の大きい、深めの素焼き鉢が適しています。「蘭鉢」と呼ばれる春蘭用の鉢なども販売されています。

用土は、保水性と水はけのよさを重視し、粗めの軽石を主体とするか、赤玉土を混ぜた混合土にしましょう。東洋ラン専用の培養土を利用するのもおすすめです。

植え替え


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植え替えは、4~5月の花後がよいでしょう。鉢植えの場合は、鉢を株から丁寧に外し、根に絡んだ土や枯れた根をきれいに取り除きます。またその際に、傷ついた部分や、株が込み入っている部分はバルブごと切り離しましょう。刃物を使う場合は、刃先を火であぶるかアルコール消毒をするなどして、切り口から雑菌やウイルスが混入するのを防ぎましょう。株分けしたものを植え付けるときは、株元のバルブが表土から2cmほど埋まる程度にして、十分水やりし、鉢内のみじんを取り除きます。その後は、風通しのよい半日陰で様子を見ましょう。株や鉢の大きさにもよりますがおおむね3年に1度は植え替えたほうが根詰まりなく健全に育ちます。

肥料


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施肥は、4月頃と9月頃に緩効性肥料を与えるようにしましょう。また新芽が成長し、翌年の花芽を形成する4~6月と、花芽充実期の9~11月には、液体肥料を2週間に1回を目安に与えるのがよいでしょう。緩効性肥料は、できるだけ株から離して置くことで肥料焼けを予防できます。

水やり


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用土が乾いたら鉢底から流れ出すまで水を与えます。その際は、鉢の表面だけでなく、内部の用土までしっかりと乾いていることを確認しましょう。春蘭は水を与えすぎると根腐れしやすいので、乾いているときと水やり後の鉢の重さを把握しておき、水やりのタイミングの参考にしましょう。

また冬期は鉢内部の乾燥が緩やかになるので、水やりは控えめに行います。暖かい日の午前中に、表土が濡れる程度の水やりをすればよいでしょう。

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病害虫は?


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注意すべきものとして病害虫があります。どのようなものがあるのか、また対処法について解説したいと思います。


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被害として一番挙げられるのはウイルス病です。その多くが株分け時などに使った刃物から感染するというものです。葉に斑点ができたり、かすり模様が出てきた場合は、ウイルス病の可能性があります。一度ウイルスに感染してしまうと薬などでは対処できないので、処分するしかありません。使う刃物の消毒をしっかりと行い、予防に努めましょう。

また高温多湿の時期は根腐病や軟腐病、低温多湿の環境であればカビ病にも注意が必要です。そのような時期は水やりに気をつけ、風通しのよい場所で管理し、定期的な薬剤散布で予防しましょう。

害虫


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風通しの悪い場所などではハダニやナメクジが発生することがあります。また花芽形成時にアブラムシが付くこともあります。見つけ次第、捕殺や薬剤散布を行うなどして対処しましょう。地植えの場合は野生動物による食害もあるため、心配なら防護ネットを張るなどの対応をしましょう。