マイナス金利政策解除で住宅ローンの金利はどうなる?

日銀の金融政策変更による影響として、住宅ローン金利の上昇が予想されます。金融機関が長期金利などを基に設定する固定型の金利は、すでに引き上げの動きが見られます。一方、利用者の大半が選択する変動型は、企業向け貸出の基準金利である「短期プライムレート」を参考にしていますが、主要銀行のレートは2009年以降、変更されていません。

ただ、短期プライムレートは、短期市場金利の影響を受けます。今回の日銀の政策金利引き上げを受け、金融機関は変動型住宅ローン金利の引き上げも検討することになるでしょう。

これにより、住宅ローンの借り入れコストが上昇し、家計の負担増加が懸念されます。金利動向を注視しつつ、適切な借入計画を立てることが大切です。

たとえば、3000万円の住宅ローンを金利1%で35年払いにした場合の毎月返済分は8万4685円です(変動金利・元利均等方式)。元利均等方式とは、金利が同じという条件の場合に、元金と利息を足した月々の返済金額が、返済期間の最初から終わりまで、一定で変わらないという返済方法です。そして、総返済額は3556万7804円になります。

金利が0.1%引き上げられて1.1%になった場合は、毎月8万6091円、総返済額は3615万7985円になります。このように、わずか0.1%の引き上げでも総返済額は約59万円の差になります。

そして、金利が1%上昇して2%になると、毎月9万9378円、総返済額4173万8968円となり、約617万円もの差になります。日銀のマイナス金利解除によって金利は上昇傾向にあるので、今後の動向には注意が必要です。

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物価や賃金への影響


コインの上を歩く男性
【画像出典元】「stock.adobe.com/jirsak」

日銀がマイナス金利政策を解除したことは、日本経済にとって重要な転換点を迎えたことを示しています。この政策の変更は、物価や賃金への影響も予想されます。

物価への影響

マイナス金利政策の解除が金利の上昇をもたらす可能性があるため、円高が進めば、輸入品の価格低下が見込まれます。これは輸入食品やエネルギーの価格に特に影響し、家計にとっては物価上昇の抑制効果が期待されます。

賃金への影響

日銀がマイナス金利政策を止めると、企業がお金を借りるときの利息が高くなるかもしれません。しかし、物価上昇が続く中、日本の企業は従業員の賃上げを実施する動きがでてきました。

家計の収入が増えると、みんなもっと買い物をしたくなるでしょう。これは、日銀が目指している、給料と物価が一緒に上がっていく良い流れを作り出すことにつながるかもしれません。