YASCORN 鉄道食べすぎひとり旅!3歩進んで2歩下がる!天浜線で静岡ローカル満喫旅

大の鉄道好きマンガ家・文筆家のYASCORN(やすこーん)さんが、気軽に行ける1泊2日の女性ひとり旅をご紹介。今回は、1日乗り放題きっぷで、走行区間を行ったり来たりする旅。初日は、天竜浜名湖鉄道で静岡ののどかな景色とグルメを楽しみます。

静岡県に向けて出発!「幸せの左富士」を発見

「3歩進んで2歩下がる」
このフレーズ、メロディ付きで頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
ご存じの通り、水前寺清子さんの歌「365歩のマーチ」の一節です。

水前寺清子さんの出身地で芸名の由来となった、熊本市にある水前寺公園(水前寺成趣園)の近くに小学生の時に住んでいたこともあり、この歌は私にとって馴染み深いものとなりました。今回は3歩進んで2歩下がる、行ったり来たりの旅をしてみたいと思います。

東海道新幹線の左側の窓からも富士山が見える

朝食の駅弁を食べつつ、東京駅から東海道新幹線「こだま」に乗り、掛川駅で下車します。
窓からは富士山がくっきり。通常、東京からの下りでは、右側に富士山が見えます。しかし私が座っていたのは進行方向左、海側の座席です。

実は静岡駅を過ぎ、安倍川の鉄橋を渡って線路がカーブするあたりで、一瞬富士山が左側後方に現れるのです。見られたらラッキーな「幸せの左富士」とも呼ばれています。今日は何かラッキーなことがあるかもしれません。

(左)JR掛川駅(右)天竜浜名湖線掛川駅

JR掛川駅(北口)は三角屋根が印象的な黒い木造の駅舎。1940(昭和15)年、当時の外観を復元しつつ、2014年に建て替えられました。そして少し離れた右隣に天竜浜名湖線の掛川駅があります。こちらも三角屋根のかわいい駅舎です。

天浜線1日フリーきっぷを買うともらえるグルメガイド

天浜線掛川駅窓口で、1日フリーきっぷを買って出発です。天浜線の駅舎には、数多くの飲食店が併設されています。グルメガイドには全ての情報が掲載されているわけではないので、行きたいお店がある場合は、前もって調べておきましょう。

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天浜線の見どころは、国の登録有形文化財

車窓からの風景

天浜線は、静岡県の第三セクターで、単線のローカル線。その前身は国鉄二俣線でした。沿線は、のんびりとした風景が続きます。無人駅も多く、ワンマン運転なので、降りる際は車両前方から、運転士さんにきっぷを見せて降ります。座席は基本、ボックスシート。以前乗った時は、景色を眺めながら駅弁を楽しみました。

遠州森駅。本屋および上りプラットホームが登録有形文化財に登録されている

国の登録有形文化財に登録されている駅舎や橋梁が数多くあるのも、天浜線の見どころです。天浜線の建造物は、1940年(昭和15年)からずっと現役。昭和の風景がいたるところにあります。電線がないので、空間が抜けて、写真を撮るにも適した路線です。

こちらも登録有形文化財に登録されている天竜二俣駅

駅待合室もノスタルジックな雰囲気

掛川駅から約1時間で天竜二俣駅に到着。天浜線の本社や車両基地がある場所です。

ここまで途中下車せず一気に来たのは、車両基地で行われる「洗って!回って!列車でGO!」という体験イベントに参加するため。こちらは予約制で、主に土日祝日に行われています。

「転車台見学ツアー」というのものも毎日昼過ぎに行われています。こちらは予約不要です。