資産&タイプ別!新NISA商品の選び方



※オルカンとは……「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」という名称の投資信託。この投資信託1本で全世界の企業が発行する「株式」に投資できる特徴がある
※S&P500とは……アメリカの株価指数の1つ。アメリカを代表する企業500社で構成されているため、アメリカの株式市場全体の動きを反映するといわれている

ここからは、実際にどういった金融商品を選べば良いのか、資産&タイプ別に紹介します。

資金の余裕がなく忙しい人は…

①つみたて投資枠でインデックス投信
先述した通り、投資のための三原則「長期・分散・積み立て」に沿って「つみたて投資枠」で投資信託を1本購入してみましょう。つみたて投資は100円からでも始められるので、無理のない金額を設定してください。10~20年の長期で投資を続けます。なお、満期はないのでいつでも売却することができます。

おすすめの商品は手数料の低いインデックス投信です。インデックスとは日経平均株価などの市場の動きを表す指数のことで、指数の値動きとの連動を目指す投資手法です。難しい分析などが必要ないので、手数料も抑えられているのです。

資産に余裕があり、投資意欲が高い人は…

②つみたて投資枠に成長投資枠を追加して株投資を
ある程度資金に余裕があり、投資を楽しみたい人は「つみたて投資枠」の他に高配当銘柄と呼ばれる個別株を購入してみるのもいいでしょう。

配当とは、株を発行している企業がその年の利益を株主に分配することをいいます。株を購入した代金に対し、1年でもらえる配当金を割ったものを配当利率といい、3%以上の銘柄が「高配当銘柄」と呼ばれます。

例えば3%の配当利率の場合、10万円の株を購入したら3,000円の配当金が得られるという計算に。つみたて投資は資産形成におすすめですが、長期保有だと手元に利益が入るまで時間がかかります。そこで、個別株の配当金で目先の楽しみを得るという方法です。

資金が潤沢な人は…

③新NISA枠をフルに使って運用を
新NISAは運用益が一生涯非課税になる制度。長く活用すればするほどお得度が上がるということです。十分に資金があるのなら、なるべく早いうちに投資環境に身を置くことをおすすめします。

新NISAの非課税保有上限額は1,800万円ですが、そのうち300万円を売却して枠が空いたら、翌年から300万円分を再び「新NISA枠」として利用することも可能です。非課税の恩恵を最大限に活用することで、資金をさらに増やすことができるでしょう。

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SNSの情報に振り回されないように注意!



新NISAがスタートしたことに加え、日経平均株価が史上最高値を更新と、世間的に投資ムードが盛り上がっています。私自身も投資を推奨していますが、一方で「絶対に〇〇したほうがいい」と投資をあおるような情報も少なくありません。特にSNSは極論が飛び交いがちなので、偏った情報に躍らされないように注意したいところです。

先ほど紹介したインデックス投信は良い商品ではありますが、世界的に株価が大きく下がるようなことがあったときは、連動して価格がガクッと値下がりします。こういったときでも淡々と積み立てし続けたほうが、結果的に利益を得ることにつながります。

しかし、断片的な情報で投資をしていると、ピンチが訪れたときに慌てて売って損をしてしまう……ということも。

「どんな金融商品にいくらくらい投資すべきか」は家族構成や個々の環境によっても異なります。こういった記事を読んでいただくなど、ある程度ご自身で投資について学んでいくことが、堅実で確かな資金作りにつながっていきます。