老後資金のつくり方として、コツコツ預貯金をするのは「物価高の時代はむしろリスクになる」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの大久保美伽先生。今年から拡充された新NISAをすぐにでも活用することをすすめます。どんな金融商品を選んで、何に注意すべきかわかりやすく解説します。

監修/大久保美伽 先生
元銀行員、大手外資系金融機関勤務歴15年。退職後、2021年マネレボ株式会社設立。真に中立な立場で資産運用と保険、家計の見直しをおこない、お金と時間から自由になり自分らしく生きる女性を増やすべくファイナンシャルプランナーとして独立。多くのお客様の資産運用やライフプランニングの悩みを解決すべく尽力している。老後に3000万円差がつく投資講座主宰。

新NISAは何がお得なの?



「NISA」は個人の投資を後押しするためにできた国の税制優遇制度のこと。通常、投資で利益が出ると約20%の税金がかかりますが、NISAは一切税金がかからず、利益を丸ごと受け取ることができます。

NISA自体は2014年にスタートした制度ですが、2024年には「新NISA」となって非課税枠が拡大され、ますますお得になりました。

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つみたて投資枠と成長投資枠の違いは?



新NISAには毎月積み立て形式で投資をする「つみたて投資枠」と積み立て買いもスポット買いもできる「成長投資枠」の2種類の枠があります。これらの限度額が旧来より引き上げられ、1年間に投資できる金額が、「つみたて投資枠」は120万円まで、「成長投資枠」は240万円までとなりました。

年間で最大360万円、トータルで1,800万円(成長投資枠1,200万円)を上限に、投資信託(投資家から集めたお金を資金としてまとめ、専門家が株式や債券などに投資・運用し、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される商品)や株式といった金融商品を無期限で保有することができます。

「つみたて投資枠」と「成長投資枠」は購入できる商品の種類にも違いがあります。「つみたて投資枠」では積み立て用にラインナップされた投資信託の中から選んで投資をしますが、「成長投資枠」は幅が広く、国内外の株式やETF(東京証券取引所などの金融商品取引所に上場している投資信託)などの購入が可能です。