エアコンの効いた部屋でつける扇風機、冷たい風が届いて気持ちいいですよね。
でも、両方つけると電気代が高くなるのでは……?
そう思うかもしれませんが、実はエアコンと扇風機の併用で、電気代がお得になる場合もあります。エアコンの設定温度や扇風機の使い方によっては、電気代を大幅にカットできることも!
本記事では、お得なエアコンと扇風機の使い方について解説します。また、エアコンと扇風機、そしてサーキュレーターの電気代がどれほど違うのかもシミュレーション。はじめは小さな節約でも、続けていくことで大きなコストカットとなるはずです。
ぜひ、無理のない節電にチャレンジしてみてください。
エアコンと扇風機の電気代を比較
まずはエアコンと扇風機の電気代がどれくらい異なるのか、見ていきましょう。比較するのは以下のとおり。同じメーカーのエアコンと扇風機です。
三菱電機のエアコン「FZシリーズ」(11~17畳用)
- 三菱電機の扇風機「SEASONS」シリーズ
- 電気代の単価を27円/kWhで計算すると、それぞれの年間電気代は以下のとおり。
型番 | ルームエアコン(MSZ-FZ4022S) | 扇風機(R30J-DDA) |
消費電力(kWh) | 970kWh | 0.013kWh |
電気代 / 年 | 3万1428円 | 3,075円 |
扇風機の電気代は、エアコンの10分の1ほどしかないことが分かります。
この結果を見ると、エアコンを少し弱くして扇風機を活用すると節電になるのは一目瞭然です。
なお上記のエアコンは省エネ基準達成率130%を誇る、2021年モデルのエアコンです。高い省エネ性能を備えていても、扇風機の安さにはかないません。
仮にエアコンが古い年式で省エネ性能が低い場合、消費電力が多くなるため年間電気代はさらに高くなります。そのため、扇風機にかかる電気代との差額はより大きく開くでしょう。
エアコンと扇風機、電気代節約のコツ
扇風機の電気代が安いとわかっても、扇風機だけで夏を乗り切るのは難しいでしょう。エアコンを付けず無理に節約すると夏は熱中症になるリスクが高くなります。
当然、日常生活の快適性も損なわれるため「エアコンは付けない」という選択肢はおすすめしません。それにエアコンは定期的に動かした方が、清潔で長く使えるものです。ぜひこれからご紹介する節電のコツを参考に、無理のない節約を実践してみてください。
エアコンの電気代を節約する方法
エアコンの電気代を節約するには、以下の方法が有効です。
- 夏は28度・冬は20度を目安に設定する
- 必要なときだけ付ける
- 長時間家にいるときは付けっぱなしにする
夏は28度・冬は20度を目安に設定する
経済産業省の資源エネルギー庁では、以下の設定温度を推奨しています。
季節 | 推奨する設定温度 |
夏 | 28度 |
冬 | 20度 |
また夏は設定温度を1度上げ、冬は設定温度を1度下げるだけで消費電力を10%近くカットできるというデータも。設定温度を外気温に近づけることでエアコンにかかる負荷が下がり、消費電力を抑えられるのです。
頻繁なオンオフを繰り返さない
エアコンを切ると室温が外気に影響され、上がったり下がったりします。その後エアコンを付けると、また一から室温を設定温度まで調節する必要があります。このとき、エアコンは多くの消費電力を必要とします。
そのため、こまめすぎるオンオフは逆に電気代が高くなることもあります。
30分以内の外出であれば、付けっぱなしのほうがお得。1~2時間程度の外出なら、留守中も付けっぱなしでも電気代はあまり変わりません。
必要なときだけ付ける
つけっぱなしのほうがお得になることもあるとはいえ、24時間毎日つけっぱなしにする必要はありません。雨が降って気温が下がったときや、夏も終盤でそろそろ夜は涼しくなってきた……というときは、エアコンを切って過ごすほうが節約になります。
また、湿度が高くジメジメした日は、冷房でなく送風や除湿機能を使うという手も。冷房や暖房に比べて、エアコンの送風や除湿機能は電気代が安くなる傾向にあります。気温を下げなくても、湿度を下げるだけで快適性が増すかもしれません。
扇風機の電気代を節約する方法
扇風機の電気代を節約するには、以下の方法が有効です。
- 風量を上げすぎない
- タイマーを活用する
- 窓際に扇風機を置く
元々の電気代が安い扇風機ですが、使い方次第でより電気代を節約できます。
風量を上げすぎない
扇風機は以下のとおり、風量を強くするほど消費電力が多くなります。
扇風機の風量 | 消費電力 |
弱 | 20W(0.02kw) |
中 | 30W(0.03kw) |
強 | 40W(0.04kw) |
「弱」と「強」では消費電力に倍ほどの違いがあります。そのため電気代を節約するには、風量をできるだけ弱めて使いましょう。特に扇風機の近くにいれば「弱」でも十分涼しく感じられる場合があります。
また一時的に「強」にして、ある程度涼しくなったら「弱」に戻しても良いでしょう。
タイマーを活用する
長時間稼働させ続ければ、扇風機でもそれなりの電気代がかかります。そのため就寝時に扇風機を利用する場合は、タイマー機能を利用して付けっぱなしを防ぎましょう。
ただし就寝中の熱中症や脱水症状には十分注意してください。あくまで電気代節約よりも、体調を優先すべきです。エアコンを併用するなど工夫して、体調不良を予防しましょう。
窓際に扇風機を置く
窓を開け、扇風機を窓際に置くことで外の涼しい風を室内に送り込めます。密閉された室内で扇風機を回すよりも、爽やかな風を感じられるでしょう。窓を開けるとかえって暑くなる場合は、部屋の出入り口を開けて扇風機を置くのもおすすめです。
たとえば部屋と廊下を繋ぐドアをあけて、部屋の中に向けて扇風機を置きましょう。すると外の風が室内に入り、ジメジメ感が軽減されることがあります。
なお窓を開けているときはエアコンの冷房でなく、送風機能を使いましょう。送風機能と扇風機を併用すれば、室内の空気が効率よく循環しますよ。
配信: hitotema