老後は年金を頼りに生活する世帯が多いです。そのため、老後に「月20万円」の年金がもらえたら余裕のある生活ができると考える人もいるかもしれません。
では、実態として月20万円以上の年金を受給できる人はどのくらいいるのでしょうか。また、月20万円の年金を受け取るには現役時代にいくらの年収が必要なのでしょうか。
本記事では、月20万円の年金をもらう人の割合と必要な年収を解説します。年金受給額を増やす方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
月20万円の年金をもらう人の割合
まずは、月に20万円の年金を受け取る人の割合を紹介します。厚生労働省年金局の調査によると、厚生年金受給者がもらう年金額の分布は図表1のとおりです。
【図表1】
厚生労働省年金局 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況を基に筆者作成
月20万円以上の年金を受給する人の割合は15.5%です。会社員や公務員などの厚生年金受給者のうち、約6.5世帯に1世帯が月20万円以上の年金をもらっています。一方で、最も分布割合が多い受給額は月10万円以上15万円未満です。受給額が月10万円未満の人も一定数いるため、同じ厚生年金受給者でも受給額に差があることが分かります。
また、図表1は会社員や公務員などの厚生年金受給者がもらう年金額の分布です。自営業者や専業主婦(夫)などの第1号被保険者は、基本的に国民年金しかもらえません。そのため、自営業者や専業主婦(夫)が受給する年金額は、さらに少ないことを覚えておきましょう。
月20万円の年金をもらうために必要な年収
厚生年金は、現役時代の年収や勤務期間によって受給額が異なります。では、実際に月20万円の年金を受け取るにはいくらの年収が必要なのでしょうか。以下の条件を満たす人でシミュレーションしてみましょう。
・1975年生まれ
・20~64歳まで会社員として勤務
・65歳から年金受け取りを開始
これらの条件を満たす人が、月20万円の年金をもらうために必要な現役時代の平均年収は約650万円です。給与所得者の平均年収は約443万円のため、平均よりも約207万円高い年収が必要になります。そのため、月20万円の年金を受け取るハードルは比較的高いです。
配信: ファイナンシャルフィールド