母が「年金額は月々13万円で足りる」と言っていますが、老後資金にしては少ないですよね?

先日とある方から、自身の母親の年金額について相談を受けました。彼女に支給されるであろう年金額は月々13万円です。相談者は「13万円で足りる」と言い張る母親の老後について、気が気でないようです。
 
そこで、月々13万円の年金を老後資金の柱にして生活ができるのか考えます。

13万円という年金額は平均と比べてやや少ない

厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、令和3年度末における厚生年金保険(第1号)の老齢給付の受給者の平均年金月額は、およそ14万6000円でした(併給する老齢基礎年金の額を含む)。

 

それと比べると、月々13万円という年金額はやや少なめだといえます。国民年金受給者における老齢年金の平均月額およそ5万6000円に比べると大きな金額ではありますが、決して十分な額とは言い切れない面もあります。

 

実際、65歳以上の単身無職世帯における1ヶ月の支出額は、15万5495円となっています。

 

図表1

 

 

出典:総務省 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要

 

これらを総合的に鑑みると、月々13万円の年金だけが老後資金であったとすると、やや不安が残るといえるでしょう。

 

月13万円での生活も不可能ではない?

統計データだけを見ると、老後に月々13万円の年金だけを受給して生活することには、やや不安が残ります。

 

とはいえ、生活が不可能というわけではありません。地域やライフスタイルにもよりますが、「お金をあまり使わず、月の生活費が10万円程度」というような場合は、月々13万円の年金を老後資金として生活していける可能性が高いでしょう。

 

また、貯金が十分にある場合や、一定の不労所得が期待できる場合は、13万円の年金で十分足りることもあります。例えば、月15万円の支出が必要という方が、90歳まで将来生きるであろうと仮定します。

 

この場合、不足額は毎月2万円です。不足額が2万円程度ならば、月々13万円の年金の他に、貯金が2000万円以上あったり、投資信託など金融商品からの配当が毎月3万円以上得られたりするような場合、老後に不足するお金をまかなえるでしょう。

 

確かに年金額が月々13万円というと心細く感じる額ですが、他の収入や貯金などの老後資金全般を含めて考えると、本人の言うとおり「足りる」といえる年金額となっていることもあります。

 

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