結局年金はいつのタイミングで受給するべきなのか
年金が受給開始時期により変動することが分かると、なおのこと「じゃあいつから受給すればいいの?」と疑問に思うことでしょう。
この点では、「いつまで生きられるか」という寿命の予測が、ひとつの判断基準となります。繰下げ受給をして、長生きできた場合は月当たりの年金受給額は大きくなりますが、早くに亡くなると総受給額は小さくなります。だからといって、早く受給を開始しても、月々の年金受給額が小さくなってしまいます。厚生年金を例に、年金の受給開始時期と総受給額についてまとめると、次のようになります。
図表2
※筆者作成
もし、年金の受給開始時期を総受給額で判断したいときは、自分が75歳までしか生きられないと考えられる場合は、60歳から受け取るべきでしょう。早くに亡くなってしまうとその分受給できる年数が短くなるので、受給額の減少を受け入れてでも早く受給した方がよいようです。
一方で、上記の試算の結果等を踏まえると、自分が85歳、90歳まで長生きすると考えられるのであれば、繰下げして69歳から受給した方がよさそうです。受給は遅くなるけれど、その分毎月の年金額が増えるからです。しかし受給開始時期を70歳以降にまで繰り下げても、よほど長生きしない限り、受給が遅くなる分を増額分でカバーすることができません。そのため、繰下げのし過ぎには注意が必要です。
年金の受給額は受給時期によって増減する
年金の受給開始時期は60歳から75歳までの間で選ぶことができ、それにより受給額も増減します。
もし、総受給額が最も多くなるように年金を受給したい場合は、自分が何歳まで生きるか想定し、受給開始時期を決めるようにしてください。
ただ、早く受給を開始しても長生きした場合に総受給額は小さくなる可能性がある、遅く受受給してもその間の収入をどうするか、といったように、受給開始時期を決めるに当たってはさまざまな問題があります。
年金の受給開始時期に悩んだときは、総受給額だけでなく、その間の生活費など諸般の事情を踏まえて、よく考えて決定するようにしてください。
出典
執筆者:柘植輝
行政書士
配信: ファイナンシャルフィールド
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