給与が低すぎて奨学金返還まで手が回らない!奨学金の「延滞率」は何パーセント?

物価や光熱費の高騰、増税や社会保険料の負担増などによる実質賃金の低下から、奨学金の返還に苦しむ声も上がってきているようです。
 
そこで、給与が低く奨学金の返還に手が回らないという方に向けて、奨学金の延滞率はどれくらいなのか、困ったときはどのような対応をすべきなのか、解説していきます。

奨学金を延滞したことがある人の割合はおよそ20%

独立行政法人日本学生支援機構の「令和2年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」において、現在無延滞となっている方に、奨学金をこれまで延滞したことがあるかと聞いたところ、「延滞したことがある」と回答したのはそのうち19.8%です。

 

【図表】

出典:独立行政法人日本学生支援機構 令和2年度奨学金の返還者に関する属性調査結果(詳細版)

 

現在は奨学金を返還できている方でも、そのうち20%近くが過去に1度は延滞をしたことがあるようです。調査時点で延滞中の方が挙げた延滞の理由としては、「本人の低所得」と収入を理由にする方が多く、正社員であっても、延滞した方の半数以上が、所得が低いことを理由に挙げています。

 

給与が低く奨学金の返還に手が回らないという状況では焦ってしまったり、自分がダメなのではないかと思ったりしがちですが、同じような状況の方は一定数存在しています。それを踏まえ、落ち着いて状況を整理し、今後の対応について考えていくことが重要になります。

 

どうしても返還に手が回らないときは?

給与が低すぎてどうしても奨学金の返還に手が回らないという場合、減額返還か返還期限猶予の申し出を日本学生支援機構に行うべきです。

 

減額返還とは、月々の返還額を2分の1または3分の1にし、返還期間を延長するというものです。例えば毎月2万円返還している方の返還額を1年間、1万円にする代わりに、返還期間をその分伸ばすという具合です。

 

返還期限猶予とは、返還額を減らすのではなく毎月の返還自体を先送りにするものです。例えば、1年間返還が猶予される(0円になる)代わりに1年間返還期間が延びるといった具合です。

 

奨学金は返還が滞るとその延滞の事実が信用情報機関に記録されます。クレジットカードを作ったり住宅ローンや車のローンを組んだりする際には審査があるのですが、奨学金が原因で審査落ちしてしまうこともあります。

 

返還が滞っている場合はもちろん、滞りそうだという場合も、速やかに一度減額返還や返還期限猶予についての相談を行っておくべきでしょう。

 

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