職場で、「15分前」に出勤し準備を済ませておくようにと言われています…これって法的にアリですか?

会社には、それぞれ独自の決まりごとのようなものがある場合があります。
 
例えば、「15分前に出勤して、始業と同時に働けるように準備をする」ということが慣習になっている会社もあるでしょう。
 
この場合、早く出勤する15分間は勤務時間に該当するのか、また、給与が発生するのではないのかなど、確認しておいたほうがよいかもしれません。
 
本記事では、法律上の「労働時間」の定義をはじめ、始業前に早く出勤した時間は労働時間と判断されるのかどうかを、詳しくご紹介します。

法律上の「労働時間」とは

労働基準法では労働時間の上限が定められており、「1日8時間および1週間に40時間」を超えて働かせる場合は、労働者にその分の残業代を支払わなければならない決まりになっています。

 

問題は、ここでいう「労働時間」がどのような時間かということです。

 

厚生労働省によると、「労働時間とは、使用者の指揮命令下にある時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる」とのことです。

 

つまり、通常ならば始業前の時間は、指揮命令下に入る前の時間であると考えられます。

 

早く出勤した15分間は労働時間とみなされるのか?

では、始業時間より早く出勤することを義務づけられている場合は、どうなるのでしょうか。

 

労働時間かどうかを判断する際は「使用者の指揮命令下にあるかどうか」がポイントになるため、15分前出勤が会社や上司の指示によるものであれば、その時間も労働時間とみなされる可能性があります。

 

強制であることを会社が明示していなくても、始業15分前までに出勤しなかったときに、遅刻扱いにしたり減給の対象になったりする場合は、「強制力がある」と判断できる可能性が高いでしょう。

 

労働時間である以上、早く出勤したことで労働時間の上限を超える場合は、その分の賃金が支払われなければなりません。

 

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