【2024年より新制度】高齢者が、NISAなどへ長期積立投資する場合に心配なこと <その1>

2024年から始まった新NISAのつみたて投資枠は、月100円(投資額は金融機関にもよります)から、何歳からでも始められて、いつでもやめることができます。したがって、初心者が長期積立投資を始めるのに適しているといえるでしょう。長期積立は時間のリスクを軽減する投資方法で、資産運用をするうえでは非常に有効な手段です。
 
しかし、若い方ならともかく、高齢者の場合は「自分の寿命を考えると、10年や20年かけて投資をするのは向いていないのではないか」と考える人もいるでしょう。では、高齢者の場合、どのように長期投資をするべきでしょうか。本記事で見ていきましょう。

NISAの長期積立投資中に、万が一のことが起こったら?

そもそも自分の寿命は誰にも分からないので、一概に「高齢者だから長期投資はすべきではない」ということにはなりません。

 

しかし、投資をするときには、計画どおりいかなくなった場合の代案や、備えを常に用意しておく必要があります。高齢者の場合、長期積立投資に対する備えの一つは、例えば「相続」です。

 

一般的に相続人がいる方は、株式や投資信託(以下、株式等)を相続すれば、妻や子などの相続人がさらに10年や20年の長期投資を引き継いでくれ、時間のリスクはさらに緩和されます。NISAの場合は、口座そのものを引き継ぐことはできませんが、他の相続財産と同様、NISA口座内の資産を相続人に相続することができます。

 

それでは、NISA口座で貯めた資産をどのように相続するのが最も効率的か、見てみましょう。

 

NISAの長期積立中の相続はどうなる?

NISAの長期積立中に万が一のことが起こった場合、相続が発生し、所得税と相続税の2種類の税金がかかります。

 

1つ目の「所得税」は、被相続人となる方自身の存命中に株式等を売却したときにかかります。一般的に、相続の場合は売却する必要はありませんが、株式等の所有者の名義を変更する必要が出てきます。

 

2つ目の「相続税」は、株式のみならず、主に相続人の財産全てを相続人が引き継ぐ場合に発生する税金です。

 

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