年金を繰下げして年金受給額をアップさせたいです。平均寿命も延びているし、健康面に心配がなければ問題ないですよね?

年金を受給する年齢になると、いつから受給するのがよいのか考えてしまうでしょう。年金の受給には繰上げ・繰下げがありますが、本記事ではその仕組み、メリット・デメリットを見ていきます。

老齢年金の繰上げ受給・繰下げ受給とは

老齢年金の繰上げ受給は、希望すれば本来の支給開始年齢である65歳より前に減額された年金を受け取る仕組みのことです。一方、繰下げ受給は66歳以後に先送りして増額された年金を受け取る仕組みです。繰上げ受給は原則として、老齢基礎年金と老齢厚生年金は同時に請求する必要があります。

 

繰上げで減額される年金額の計算方法と注意点は

繰上げ受給の年金額は、老齢基礎年金額(振替加算額を除く)および老齢厚生年金額(加給年金額を除く)に、下記の計算式から求められます。

 

減額率(最大24%)=0.4%×繰上げ請求月から65歳に達する日の前月までの月数

 

繰上げによる注意点は、老齢年金の繰上げ請求をすると、繰上げする期間に応じて年金額が減額され、減額された年金を一生涯受給することになります。また、厚生年金基金から支給される年金も減額される場合があります。

 

繰上げ請求すると取り消しはできず、請求した日の翌月分から年金が支給され、その後は国民年金の任意加入や、保険料の追納ができなくなってしまいます。また、厚生年金基金から支給される年金も減額される場合があります。

 

65歳になるまでの間に、雇用保険の基本手当や高年齢雇用継続給付を受給する場合は、老齢厚生年金の一部または全額が支給停止となります(老齢基礎年金は支給停止されません)。

 

繰上げした老齢年金は、65歳になるまで遺族厚生年金や遺族共済年金など他の年金との併給はできず、どちらか一方の年金を選択しなければなりません。また寡婦年金に関しては支給されず、受給中の場合は権利がなくなります。また、事後重症などによる障害基礎(厚生)年金も請求できません。

 

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