累計発行部数が250万部を突破するなど社会現象とも呼べる大ヒットを記録している漫画『みいちゃんと山田さん』(亜月ねね作)がいよいよ物語のクライマックスに突入している。24日に講談社の公式マンガアプリ「マガジンポケット(マガポケ)」で先読み有料配信された最新話では、みいちゃんを殺すことになる犯人候補たちが、ある場所に大集合する場面が描かれ、いよいよみいちゃんの最期が迫ってきた。
毎週日曜更新の本作だが、次回更新が6月14日になることが発表されている。5月27日には公式Xにて累計発行部数が250万部を突破したことが発表された。次巻(第7巻)での完結がすでに明言されており、物語のクライマックスで設けられたこの休載期間に、本作に登場するキャラクターたちを改めて紹介していく。
特別連載企画の第3回は、物語の最終局面にして最悪の結末の舞台となる「宮城編」で交差する人物たちにスポットを当てる。みいちゃんの故郷で彼女を破滅へと引きずり込む地元の不良グループや、彼女の過去を知る家族、そして最後まで足掻こうとした人物たちの姿を深掘り解説していく。
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みいちゃんのルーツと絶望の連鎖を生んだ家族たち
中村芽衣子(なかむら めいこ)/みいちゃんの母親
みいちゃんを産んだ母親であり、本作における諸悪の根源とも言える存在。幼女のように結い上げた前髪が特徴。みいちゃんと同じように、猫口で描かれている(本作では何らかの特性を抱えているとみられるキャラクターは猫口で描かれている)。文字はひらがなしか読めず、計算も1桁が限界。「漢字なんて読めなくて良い」とみいちゃんに教え込んだ張本人でもある。作中の描写から彼女自身も複数の特性を抱えていることが推察され、基本的な性知識すら欠如しているなど精神年齢は極めて幼い。一方で、非常に自己中心的かつ虚栄心が強く、極端な癇癪持ち。みいちゃんの特性を指摘した小学校の教師を「バカ教師」と何年も逆恨みし続けるなど、安定した情緒を持ち合わせていない。
みいちゃんの父親である「実兄」に対し、周囲には到底理解し難い異常な執着を持っていた。彼が消息不明になって以降、みいちゃんに対する関心すら完全に失ってしまう。 それ以前から、娘の成長の遅れに苛立って理不尽に手を上げるなど、みいちゃんをペットかストレス発散の道具としてしか扱っていなかった。同級生からの孤立に悩む娘に「給食だけ食べに行け」と発育を阻害する妄言を吹き込み、娘にはボロボロの服を着せる一方で、自分は三者面談に着飾って参加。教師のオブラートに包んだ評価を自分の手柄のように受け取って虚栄心を満たすなど、子供のまま大人になってしまったような人物として描かれている。
みいちゃんが上京して以降は完全に音信不通。現在は家事も一切せず、ゴミ屋敷と化した自宅に引きこもっている。過去の素行から、みいちゃん共々地元の商店すべてから「出禁」を食らっており、みいちゃんが地元でまともに働く機会すら完全に奪ってしまっていた。
その凄惨なネグレクト描写から、読者からのヘイトは作中トップクラスを争う。しかし一方で、芽衣子の知能水準は適切な教育やサポートがあれば社会生活を送れた可能性が高く、彼女自身も世間体を気にする「祖母」によって福祉から切り離された“育児放棄の被害者”であるという見方も強い。兄よりも少しだけコミュニケーションが取れてしまったが故に「ただ性格が悪い人」として放置されてしまった悲劇であり、親子3代にわたる負の連鎖を生み出した本作の深い闇を象徴するキャラクターである。

