アニメやアイドルの「推し活」やファン活動などにおいて、缶バッジやアクリルスタンド(アクスタ)、ぬいぐるみ、アクセサリーといったグッズの購入は大きな楽しみのひとつだ。しかし近年では、カプセルトイやキャラグッズの「くじ」など、購入時に中身がわからない「ブラインド仕様」や「ランダム商法」と呼ばれる販売形式も一般的となっており、消費者の金銭的・精神的負担が指摘されることも少なくない。
こうしたなか、キャラクタービジネス領域に特化した新規事業企画会社Hamaru Strategyが、3万5866件もの回答を集めた「ランダムグッズに関する消費者意識調査2026」の最終報告を公開した。自由記述欄の総文字数が約269万字にのぼったという同調査からは、グッズを購入するファン側だけでなく、製造・販売する企業側すらも疲弊しているという、いびつな構造が浮かび上がっている。
値段が上がっても「選んで買いたい」が約9割
多くのファンを悩ませる中身の見えないグッズ販売だが、消費者はどのような改善を求めているのだろうか。
同調査において「ランダム販売の代わり、もしくは同時に実施してほしい施策」を尋ねたところ、最も多かった回答が「単価は上がるが、選んで買える(89.7%)」であった。約9割の消費者が、たとえ割高になったとしても、自分が欲しい種類を指定して購入できる販売形式を望んでいることがわかる。
また、「これまで1回のランダムグッズ購入や配布にかけた最大金額」という設問では、平均値が2万256円、中央値が1万5000円という結果が出た。目当ての「推し」を引き当てるために、1回で数万円規模の出費を強いられているファンが多数存在する実態が浮き彫りになった。
「アクスタ」や「ぬい」に“命”を感じるファン心理
同調査の中で、特に興味深いデータとして表れているのが、グッズのジャンルごとの「ランダム販売に対する許容度」だ。
「ランダムで販売されても許容できる」と答えた人が最も多かったのは、トレーディングカード(55.4%)。このほかステッカー(26.5%)や缶バッジ(20.3%)など、単価が低く、種類も多いアイテムに関しては、ランダム販売への許容度が比較的高い傾向にある。
一方で、「ランダムでも許容できる」と答えた人が極端に少なかったのは、まず単価が高額になりがちな衣類やCD。それに加えて、ぬいぐるみ(0.6%)、フィギュア・マスコット(1.8%)、アクリルスタンド(1.8%)の3種が挙げられた。いずれも許容する人は2%未満にとどまっている。
一体なぜ、ぬいぐるみやフィギュア、アクリルスタンドは「ランダム販売が許せない」のだろうか。缶バッジやカードと比較して、これらのアイテムの許容度が著しく低い理由としては、「命を感じやすい」という独特の心理的要因が挙げられている。
目当てのキャラではないからといって「簡単に捨てられない」、また処分するにしても「供養が必要だと感じる」といった切実な声が多く寄せられたという。キャラクターの形を立体的に模したグッズほど、中身のわからない状態での販売に対する拒絶反応が強いことが判明した。

