・全18種類から選んだのは……
散々悩んだ。本来であれば、私の流儀は「ノーマルチャーハン」を頼むこと。まずは基本を見る、それが流儀だ。
しかし今回は事情が違う。普通のチャーハンが780円。そして、おすすめの「黒チャーハン」も780円。
同じ価格ならば、おすすめを頼むのが自然な流れ……。
というわけで、「黒チャーハン(780円)」をオーダー。
するとすぐに「カンカンカンカン!」と中華鍋の音が響き始めた。めちゃくちゃカンカンしている。
カウンターの奥にある隙間からシェフの背中が見える。
私はミーアキャットのような姿勢で、それをずっと覗き込んでいた。
厨房を見ると、めっちゃ炒(チャオ)っている。米がホッピングしているのが見える。果たして、何が「黒」なのか?
そして私はそっと目を閉じる。
盲飯(もうはん)。
音だけでチャーハンを想像するという、チャーハン好きなら誰もがやる(であろう)一人遊びだ。
カンカンという音や、かぐわしい香り。五感を研ぎ澄ませ、どんな一皿が出来上がるのかを頭の中で考え続ける、瞑想ならぬ「炒想(チャーソー)」なる儀式とも言える。
そんなこんなで注文から約8分。
ついに「着飯(ちゃくはん)」。
器は白い皿。そこに黒いチャーハンが映えている。
そして、蓮華(れんげ)ではなく、銀のスプーン。逆にこれが、実にガチ中華っぽい。正直、私は蓮華の方が好きだが、ここは本場のガチ中華。郷に入れば郷に従え、だ。
・異国へひとっとび
実食。具材は卵、ネギ、チャーシュー。そして……ハム?
「なるほど。ありそう、こういうチャーハン。ありそうだなぁ……」
味付けは醤油ベースで、日本の一般的な町中華の醤油味とは一線を画す、オイスターソースが効いた異国の味。
台湾に行った際も様々なチャーハンを食べてきた私だが、この黒チャーハンは人生初。台湾も広い。こんなチャーハンもあるんだな……。
黒のチョイスで正解だった。この異国な感じ、いい感じ。だが特筆すべきは、その「量」! ほぼ大盛り。かなり食いごたえがある。
ちなみにスープはとろみのある玉子豆腐系で、やさしい味。やや味が濃いめなチャーハンとのコンビネーションも抜群だ。
これで780円は激安。現地の屋台並みにコスパもガチ。味もウマイし、大満足だ。
