・何を書こうかな
相手は、普段の生活では関わることのない人たちだ。
そう思うと、リアルでは言えないようなことまで相談できそうな気がしてくる。(とはいえ、世間は意外と狭いので、もしかしたらリアルでつながっている相手という可能性はゼロではない)
結局、最初は簡単な自己紹介に加えて、最近ちょっと気になっていることやゆるい相談、相手への質問などを書いた。
せっかくなので、誰に届くかわからない風船便も書いてみた。書いた手紙は、文通村の事務所宛ての封筒にまとめて入れて送る。
冒頭でもお伝えしたが、そこから事務所が仕分けして、それぞれの相手へ届けてくれる仕組みだ。
・時差がむしろ良い
ちなみに、手紙はいつ送ってもいいのだが、月に2回、事務所到着の締め日と発送日が設定されている。
つまり、入村してすぐに手紙を送ったとしても、そこから相手に届いて、相手が返事を書いて、また事務所を経由して……となるので、返事が届くまでにはそれなりに時間がかかる。
結構タイムラグがあるなと思ったが、実際にやってみると、この待つ時間こそが醍醐味だった。
「そろそろ届くころかな」「今、誰かが私の手紙を読んでいるのかな」そんなふうに考えながら日々を過ごす感覚って、令和ではかなり貴重だ。
そして数日後。ポストをのぞくと……
届いているーーー!
なんだこのうれしさは。懸賞が当たったとか、誕生日プレゼントをもらったとか、そういうのとも少し違う。
誰かが、時間をかけて書いてくれたものが届く。その事実そのものに、胸がきゅっとなる。愛おしすぎて、なぜかすぐには開封できず、結局、その日は一晩、枕元に置いて寝た。
もはや恋文の扱いである
