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「エヴァンゲリオン」作曲家・鷺巣詩郎に聞いた音楽の作り方 / 映像+生演奏ライブ『BACK TO NEON GENESIS』徹底レポ

「エヴァンゲリオン」作曲家・鷺巣詩郎に聞いた音楽の作り方 / 映像+生演奏ライブ『BACK TO NEON GENESIS』徹底レポ

・漂う記憶

戦闘BGMの「DECISIVE BATTLE」の重厚な雰囲気や、初号機暴走の時の「THE BEAST Ⅱ」の荘厳さは中二心にたまらんかった。『まごころを、君に』の挿入歌「Komm, süsser Tod/甘き死よ、来たれ」とか、シンジくんのSDATプレーヤーのごとく永遠に聞いたものだ。

当時は、鷺巣詩郎さんのことを知らなかったけど、こうして改めて聞くと、エヴァンゲリオンで最初に私に刺さったのは音楽だったのかもしれない。ほとんどの曲が口ずさめる。染みこんだ記憶が辺りを漂うみたいだ。まさしく魂のルフランである。

コンサートが終わった直後、しみじみとため息が出た。補完されてしまいそうな2時間だった。

・鷺巣詩郎に真相を聞いてみた

返す返すもこんな人が私の執筆記事に注目してるなんて信じられない。ワンチャン、人違いじゃないだろうか。そこで念のため本人に確認してみた。鷺巣先生、ロケットニュース24見られてるんですか?

鷺巣詩郎「見てます見てます。僕は普段日本にいなくて、ロンドンかパリにいるので、日本のサイトで見れないものが多いんですね。例えば、Yahoo!関連とか一切見れないですし、大きいニュースサイトでも見れないものがたくさんある。

ロケニューの一番良いところは割と時事ネタをやってくれるところですね。しかも、松屋の新しいメニューとかだから和むじゃないですか。こういうご時世で変なニュースばっかりの中で」

──ロケニュー呼び……! ありがとうございます!! でも、その中で私を指名した理由とは?

鷺巣詩郎「まず今回大阪なんで大阪出身の方がいいなと思ったのと、なんと言っても中澤さんの良いところは同業者のミュージシャンでソングライター、なおかつJASRACの正会員じゃないですか。僕も正会員なので仲間です。JASRACの明細を公開したり、立ち食いそばの記事も興味深く見てます」

──私がミュージシャンなことを知っているのはガチ勢だ。光栄すぎてL.C.L.になりそうだが、せっかくだからミュージシャン視点の話を聞いてみることにした。「甘き死よ、来たれ」のアレンジが凄くバロック調になってたんですが、あのアレンジは今回が初めてですか?

鷺巣詩郎「そうですね。初演です。普通だったら劇中の挿入歌は、あまり周知されてないからアレンジを変えても意味がないんですけど、ありがたいことにエヴァンゲリオンの場合、『甘き死よ、来たれ』は世界的に知られた楽曲になったので、色々小ネタを仕込んでます」

──僕、あの曲が一番好きで、元々のUKロック的な高揚感も大好きなんですが、バロック調にグッと寄せたアレンジがまた別の曲に聞こえました。

鷺巣詩郎「どうイジっても話題になってくれるというのがあるので、凄くイジり甲斐があります。なので、中澤さんがそこに食いついてくれたというのはしてやったり(笑)

今回は『BACK TO NEON GENESIS』ということで、1995年から始まったTVシリーズの『新世紀エヴァンゲリオン』のフィルムコンサートです。厳密に言うと『甘き死よ、来たれ』は1997年の劇場版で流れたものなので、今回はひねりにひねってサプライズ的な内容になりました」

──1997年の劇場版と言えば、アスカの弐号機が量産機と戦うシーンが印象に残ってます。ゆったりと美しいJ.S.バッハの「エール(Air)」の旋律との対比でより絶望的な部分が当時突き刺さったんですが、ああいった引用というのは鷺巣先生もかかわってるんですか?

鷺巣詩郎「いえ、TVシリーズで第九が流れたり、劇場版でバッハが流れたりする引用は庵野秀明監督の指示です。おっしゃる通り、音楽演出は画期的ですよね」

──ミュージシャンとしては1つのエヴァの特徴だと思っています。そして、もう1つミュージシャン視点で言うと、鷺巣先生の曲って『THANATOS』とかはもちろんなんですけど、日常的な『ASUKA STRIKES!』でも、メロディーが鼻歌で勝手に出てくるくらい強烈ですが、作曲の時にメロディーから考えてるんですか?

鷺巣詩郎「んー! 素晴らしい質問ですね。同業者らしい。やっぱりメロから作る人とか、シンガーソングライターで言うと詞から作る人とか、ポップスの中でもリズムのグルーヴから作る人もいますし。色んな人がいますけども……

僕は全部同時に作る。どんどんどんどん色んなものが湧いてくるんですね。特にエヴァンゲリオンのような劇伴はメロディーもアレンジも一緒くたになって湧いてくる。それをとにかく譜面に書くスタイルです。僕の場合は、メロディーも伴奏もリズムも譜面の状態で湧いてくるので、それをそのまま残すという感じです」

──凄すぎる。実は私はミュージシャンにこの質問を結構するのだが、一緒に出てくるパターンはあれど「譜面で湧いてくる」というのは初めて聞いた。解像度高すぎるだろ。いやはや勉強になりました。

・次は東京

そんな鷺巣詩郎先生が指揮する『BACK TO NEON GENESIS』は、オーケストラメンバーも30年前にオリジナルの劇伴録音に参加したミュージシャンを中心に編成されているという。

次の公演は2026年4月19日の東京国際フォーラムホールA。とは言え、この公演もすでにソールドアウトとなっているようだ。ゆえにチケットをゲットできた人は稀有なチャンス。今回のインタビューも含めて見てみると、より音楽に深みが感じられるはずだ。

参考リンク:EVANGELION「BACK TO NEON GENESIS
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
©︎khara/Project Eva. ©︎1997 khara/Project EVA.

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