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春の立山、ザラメの誘惑。新幹線とバスで繋ぐ標高3,000mの稜線

1日目|剱御前:フィルムクラストと春の音

標高2500mでのハイクはタフであることは間違いない。日頃からのからだづくりの大切さも身に染みた

「今日が3日間のなかで一番動ける日だから、相当に動くので頑張ろう!」とガイドが言った。

雷鳥荘から剱御前を目指してハイクアップを開始する。標高差は約300〜400m。数字だけ見ればたいしたことはないように思えるが、ここは標高2500mだ。普段フィールドにしている1000m台の山とは心拍数がまるで違う。強い日射と高度にジリジリと体力を削られながら、すこしずつ休みを入れて登っていく。高度順応ができていない状態での春BCの難しさを、重くなった身体で実感する時間だった。

面がフィルムで覆われてシュプールが黒く見える

稜線に立つと眼下に絶景のカールが広がる。強い日射と稜線の冷たい風が斜面の表面をフィルムクラストに仕上げていた。メンバーが一人ずつドロップしていく。すると滑り込んだ後ろから音が聴こえてくる。氷の流れる音と、ザラメの流れる音が混じり合うハーモニー。春の雪が作り出す、この季節だけの忘れられない音だ。板に伝わる振動も独特で、パウダーとはまったく別の快感がある。これが山スキーの醍醐味だ。

ザラメとフィルムの音が後ろから追ってくる  Photo: GRANIX mountain guide


剱御前を登り返して小屋で休憩した後、大山方面へ。午後の日射を受けてザラメがさらに緩んだ斜面は最高のコンディションで、メンバー全員の笑顔が弾けた。


大山の春ザラメ、そして夕日ライド……

16時を過ぎた頃、ガイドが夕焼けの斜面へ向かおうと言い出した。惜しいことに、この頃には筆者を含む数名は高度による疲れが出始めており、そのまま雷鳥荘へ引き返すことになった。

残ったメンバーが西日の斜面をハイスピードでハイクアップするのを、すこし離れたところから見送った。後から聞いた話では、西日に染まる斜面のザラメが素晴らしく、最高のライドだったという。その景色は次回への楽しみに取っておくことにしよう。標高2500mに来て高度による疲れで夕日ライドを逃す——これも普段低標高で遊ぶ滑り手が一度は通る洗礼かもしれない。

夕日を浴びる雪面

雷鳥荘に戻ると、地下の乾燥室はストーブの熱が満ちていた。竹竿に板とブーツを吊るして、温泉へ直行。浴室の窓から望む夕暮れの山並みに、韓国からの登山者グループが大騒ぎしていた。すこし誇らしい気持ちになりながら、湯に浸かる。

配信元: STEEP

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