「理系」と聞くと、研究室や難しい数式をイメージする人もいるかもしれません。ですが実際には、AIやゲーム、鉄道、日用品など、私たちの身近な暮らしの中にも“理系の仕事”はたくさんあります。
それでも中高生の頃は、「自分に向いているのかわからない」「どんな仕事につながるのか想像しにくい」と感じることも少なくありません。
そんな中、この春に開催された「Girls Meet STEM」2026 春ツアーでは、全国の中高生女子たちが、実際の企業や研究現場を訪れながら、理系の仕事や学びに触れる機会を体験しました。参加した企業は、NHKや日本マイクロソフト、日立製作所、JR西日本、花王など幅広く、AIやプログラミング、研究開発、鉄道インフラまで、普段なかなか見ることのできない“働く現場”が広がっていたそうです。
印象的なのは、単なる企業見学では終わっていないことです。女性研究者や社員との交流を通じて、「理系に進む未来」を少し身近に感じられるような空気がつくられていた点に、この取り組みの大きな意味を感じました。
“理系が得意な人だけの世界”ではなく、“まだ知らない未来の入口”として理系に触れられる――。そんな時間が、このツアーには詰まっていたのかもしれません。
「Girls Meet STEM」とは? “理系の未来”をもっと身近にするプロジェクト
「Girls Meet STEM」は、中高生女子が企業のオフィスや研究所を訪れながら、理系分野の仕事や学びを体験できるツアー型プログラムです。2026年春ツアーでは全国41件の企業ツアーが行われ、約1,100人が参加しました。
理系という言葉を聞くと、「難しそう」「自分には向いていないかもしれない」と感じる人も少なくありません。特に中高生の時期は、“知らないから選択肢に入らない”ということも多いはずです。
だからこそ、この取り組みで印象的なのは、“まず体験してみる”ことを大切にしている点です。
実際のオフィスや研究所を訪れ、AIやものづくり、放送技術、鉄道インフラなど、さまざまな仕事に触れることで、「理系って意外と身近なんだ」と感じられる内容になっていました。
また、女性社員や研究者との交流が行われている点も、このツアーの大きな特徴です。
進路選択の悩みや、理系を選んだ理由、仕事のやりがいなど、実際にその道を歩いてきた人たちのリアルな話を聞ける機会は、中高生にとって大きな刺激になります。
「自分にもできるかもしれない」。
そんな感覚を持てるだけでも、将来の見え方は少し変わるのかもしれません。
この活動を行っているのが、公益財団法人山田進太郎D&I財団です。
メルカリCEOとして知られる山田進太郎氏が設立した財団で、STEM分野におけるジェンダーギャップ解消をテーマに、中高生女子の進学やキャリア選択を支援しています。
“理系を特別な世界にしない”。
Girls Meet STEMには、そんな想いが込められているように感じました。
NHKやマイクロソフトも参加 女子中高生が触れた“理系の仕事”のリアル

今回の春ツアーでは、NHKや日本マイクロソフト、エイチームホールディングスなど、メディア・IT分野を代表する企業も参加していました。
“理系の仕事”というと研究や実験をイメージしがちですが、今回のツアーでは、放送、AI、ゲーム、プログラミングなど、普段の生活に身近な分野にも多くの理系技術が使われていることを体感できる内容になっていました。
NHKでは、大河ドラマの撮影現場を特別に見学したほか、放送技術研究所の女性研究員によるAI活用事例の紹介も実施。番組制作の裏側には、映像技術やAI、環境への取り組みなど、さまざまな技術が関わっていることを学べる機会になっていたようです。
また、女性職員との座談会も行われ、それぞれの仕事やキャリアについてリアルな話が交わされました。

日本マイクロソフトでは、micro:bit(マイクロビット)を使ったプログラミング体験ワークショップを開催。初めてプログラミングに触れる参加者も多かったそうですが、実際に手を動かしながら学ぶことで、“難しい”だけではない面白さも感じられる時間になっていたようです。
さらに、女性社員によるトークセッションやオフィスツアーも行われ、IT業界で働く姿をより身近に感じられる内容も用意されていました。

エイチームホールディングスでは、ゲームプランナーやデザイナーによる仕事紹介を実施。参加者からは「進路の決め方」や「プログラミングの必要性」など、将来を意識した質問も多く出ていたとのことです。
AI、ゲーム、映像、IT――。
普段当たり前のように触れているものの裏側に、どんな仕事や技術があるのかを知ることで、“理系の世界”を少し近く感じられるツアーになっていたのかもしれません。
