このテイストのカレーは初めて
もちろん、筆者はカレーマニアではないし、まったくの無知なので、もしかすると「これはダージリン特有じゃあないよ」という声があってもおかしくないのだが、それでも日本各地、ネパール各地、チベット各地、バングラデシュ各地、インド各地でカレーを食べてきた経験上では、このテイストのカレーは初めてだった。おばちゃんすごい。
インド本土だけでなく複数の島々から民族が集まった地域
インドの辺境の島・アンダマンニコバル諸島の都市ポートブレアも、素晴らしくカレーに個性がある地域だと感じた。アンダマンニコバル諸島は多民族で多言語の町として知られており、ポートブレアはその最たる地域。筆者が調べた範囲でしかないが、ベンガル、タミル、テルグ、ヒンディー語圏、マラヤーラム、ランチー、ニコバルなど、インド本土だけでなく複数の島々から民族が集まった地域。
まさにポートブレアで独自に育まれてきたカレー料理
実際にポートブレアに行ってみると、インド料理店も多様であることが分かるが、おもしろいことに気がついた。たとえば南インド料理店なのに、独自の食文化をがっつりと取り入れた店もあり、私たちが知っている南インド料理ではなかったりする。フュージョンというほどシャレたものでもなくて、まさにポートブレアで独自に育まれてきたカレー料理のような印象を受ける。
ポートブレアのカレーは野外で食べる
特に感動したポートブレアのカレーは、野外大衆食堂「タンガラージ」(Thangaraj / MP9Q+JWM, Biggie Line, Sri Vijaya Puram, Andaman and Nicobar Islands)だ。早朝5時から営業していて、夜遅くまで通し営業をしているのだが、ずっとひっきりなしに客が訪れる超人気食堂。ポートブレアにおいて「働く者たちの憩いの場」になっており、女性の一人客や子ども客もいるほどの愛されっぷり。
感じたことがないコクが存在
ここのカレー、実においしい。そして独特なテイスト。いや、ビジュアルだけで言えばチェンナイのMESS系カレーにも思えるが、ベースはそれとしても味が独特だ。カレーもスープも「超」がつくほどの素朴感があり、そして独特なコクがある。ココナッツだけではない、感じたことがないコク。そしてすーっと抜けるような微細な酸味。それがたっぷりと浸透したパンと玉子焼きが極めて甘美。カレーとスープで食べるパンと玉子焼き、うまい、うますぎる。
北センチネル島の存在も興味深い
ちなみに、ポートブレアは、インド政府が入島・接近を禁じている北センチネル島の真横にある。もしかすると、いにしえの時代、北センチネル島からポートブレア側に移住し、その食文化がポートブレアに浸透しているかもしれない。……と想像すると、ロマンを感じないだろうか。
独自に進化したインドカレー特異点の味を確かめてほしい
なので、何度も声を大にして言いたい。インドカレーマニア全員に言いたい! インドに行ったら、ぜひとも、ダージリンとポートブレアに行ってほしい。そして、独自に進化したインドカレー特異点の味を確かめてほしい。私のような素人ではなく、カレーマニアの視点で、その味の感想を聞きたい。
(執筆者: クドウ秘境メシ)
