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「東京駅の新名所」がまさかの光景…トフロム八重洲に並んだ「消費者金融」と「質店」看板の異様感とウラ事情

「東京駅の新名所」がまさかの光景…トフロム八重洲に並んだ「消費者金融」と「質店」看板の異様感とウラ事情

東京にまた新たな名所が誕生した。東京駅八重洲口からすぐの超一等地に建つ複合開発施設、「TOFROM YAESU(トフロム八重洲)」だ。51階建ての超高層ビルの地下には全国各地へと向かう高速バスの発着場も備え、エンタメの劇場も備える。「日本の玄関」に相応しい立派な建物だが、現地で待っていたのは「消費者金融」と「質店」の看板だった。トフロム八重洲の無惨な玄関からは、日本の不動産開発の抱える「急所」が浮かび上がる。

入口よりも目立つ消費者金融と質店の看板

東京駅、八重洲口。かつては雑居ビルがひしめき合って暗いイメージがあった街だが、2007年の「グラントウキョウ」の開業を機に、再開発がスタート。

23年には高級外資ホテルのブルガリが入居する「東京ミッドタウン八重洲」がグランドオープンし、今もなお巨大なクレーンが轟音をたてて新たな街をつくり上げている。

そんな中、新たな名所として誕生したのがトフロム八重洲だ。開発を推進したデベロッパーは旧安田財閥の中核企業だった東京建物。三菱地所や三井不動産よりも設立は古く、日本で最も歴史があるデベロッパーだ。

高速バス乗り場には東京都の「東京観光情報センター」も招致。もともと駅の反対側の丸の内に比べて地味な八重洲だったが、新幹線改札からも近く、利便性は高い。

「東京」の名を冠した同社が満を持して開業したトフロム八重洲には、日本や東京の玄関口としての役割をはじめ、大きな期待がかけられていた。

そんなトフロム八重洲だが、東京駅から降りると目の前に真っ先に飛び込んでくるのは美しいアーチでも植栽でもない。「レイク」「アイフル」「アコム」と消費者金融機関の店舗のサインと、「質 高価買取 大黒屋」という巨大な看板だった。

夕方、しかも小雨が降っていたということもあり、質店と消費者金融の看板のほうが入口よりも目立っていた。

不動産デベロッパーの威信を懸けた物件であることを考えると、かなり異様な光景だ。東京ミッドタウン八重洲はもちろん、麻布台ヒルズやグラングリーン大阪、高輪ゲートウェイシティと近年開業した大型複合施設を思い返しても、どこも正面は美しく整備されており、こんな光景は見覚えがない。一体、なにが起きたのか。

「地権者との間で話がこじれたんですよ、有名な話です」

大手デベロッパーの社員、A氏はこう笑う。

10年、20年という歳月で、同じ地権者でも溝

A氏によると、今から約25年前、再開発計画が立ち上がった時点ではもともと、消費者金融や質店が入るビルも含めて地域一帯で開発される計画だったという。しかし、2019年に再開発の事業組合が設立された時点で、この二つのビルの名前はなかった。

日本政府が保有する軍用地を三菱財閥が買い取って一帯開発した丸の内と違って、八重洲は戦後の闇市だった歴史もあり、雑居ビルがひしめいていた。

トフロム八重洲の場合、80人以上の地権者がおり、その全員が納得する案を作り上げる必要があった。東京建物の野村均前社長は同社の統合報告書で、「すべての方と合意形成に取り組むという意味では日本で最も難しい再開発案件の一つと言えます」と振り返っている。

一口に地権者といっても個人や法人もおり、その立場は様々だ。老朽化したビルをさっさと手放したいと考える者がいれば、できるだけ粘って多くの利益を得たい者もいる。

飲食店の経営者と、ただ住んでいた人の立場も異なる。10年、20年という歳月を経る中で、同じ地権者の間でも、溝が生まれていた。

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