「アイドル」×「プリキュア」×「推し活」の強さが示された1年でした。
2025年「キミとアイドルプリキュア♪」(以降「キミプリ」)の関連商品の売り上げは、ここ5年で最も良い結果となりました。
その好調の要因は何だったのでしょうか?
バンダイナムコホールディングスおよび東映アニメーションの決算資料をもとに、現在のプリキュアの状況を見ていきたいと思います。
トイホビー売り上げは昨年対比118%
5月13日、バンダイナムコホールディングスの2026年3月期の決算数値が発表となりました。
これは2025年4月~2026年3月までの数字で、主に「キミとアイドルプリキュア♪」の放送時期です。
プリキュアのトイホビー売り上げは92億円。前年の78億円から14億円増(118%)と大幅アップとなりました(※トイホビー売り上げは「玩具」のほか、文具、生活用品、食玩なども含みます)。
これは過去5年間においては最も高い数字となり、この5年間で約1.6倍に伸びています。
特に前期(1Q~2Q:4月~9月)の伸びがすさまじく、この期間だけで見ると昨対153%とロケットスタートを切っていました。
このトイホビー売り上げが好調の要因の一つとして、玩具業界誌では「キミとアイドル変身・アイドルハートブローチ」(「・」はハートマーク)、「アイドルハートインカム」などのメイン商品が好調に推移していたことが挙げられています。
商品面で特に好調だったのが2月2日からTV番組がスタートした「キミとアイドルプリキュア♪」関連。初動の段階では前作を上回るスタートとなっている。売れ筋は「キミとアイドル変身・アイドルハートブローチ」や「うたっておどってファンサして・アイドルハートインカム」などのメイン商品。
『月刊トイジャーナル』2025年3月号(東京玩具人形協同協会)P54
同誌によると、この変身アイテム「アイドルハートブローチ」は1年を通して好調だったようです。
それに加え、推し活応援用の玩具「キミとおうえん♪キラキライト」は全プリキュア5種類のカラーが発売され、それぞれのキャラの「推し活」に使用するために複数購入されるなど、「推し活グッズ」も売り上げを押し上げていたようです。
さらに新カテゴリー「ぷちきゅあ」も売り上げ増にプラスオンしていたことも玩具業界誌で挙げられています。
昨対105%と好調を維持しているプリキュアは「キミとアイドル変身・アイドルハートブローチスペシャルセット」が人気となり、4月からスタートした新カテゴリー「ぷちきゅあ」もプラスオンしている
『月刊トイジャーナル』2025年6月号(東京玩具人形協同協会)P34
アニメ本編と玩具の連動が秀逸だったキミプリ
玩具売り上げ増の要因の一つとして、キミプリではテレビ放送時のCMだけでなく「アニメ内で玩具(商品)を紹介する」ことが巧みに行われていました。
現在は、子どもたちも配信プラットフォームでプリキュアを見ることが多くなってきており、玩具のCMが流れない配信での視聴に合わせ、アニメ本編において応援するシーンでは必ず玩具「キラキライト」を持っていたり、劇中の「ファンクラブの会員証」を実際に発売されている玩具で作ったりと、商品を作中で積極的に使用していました。
もちろんこれまでのプリキュアでもそのような要素あったのですが、キミプリではその量も多く見せ方も秀逸で、子どもたちはテレビCMを見なくてもアニメ本編を見るだけで自然に関連商品が認知できる仕組みとなっていました。
それが「推し活」との相性も良く、多くの商品の購入へとつながっていたものと思われます。
このように、歴史のあるシリーズながら視聴スタイルの多様化に合わせて柔軟に対応できていることもプリキュアシリーズの強さの一つだと思われます。

