皆様、こんにちは。ゲーム保存協会の松原圭吾です。今回は、PCゲーム黎明期において、ゲームメーカー非公認ながらもゲーマーたちの間で重宝された、ある攻略情報冊子に焦点を当ててご紹介します。インターネットどころか、攻略本自体が存在しなかった時代に、プレイヤーの「知りたい」という切実なニーズに応え、通信販売されていた『ゲーム・エイド(ゴーストハウス)のヒントお答え集』(以下『ゲーム・エイド』誌)。そのユニークな存在と、当時のゲーム文化における役割を紐解いていきましょう。
ライター:ゲーム保存協会
2011年設立。日本が世界に誇るゲーム文化を100年先の未来に残すため、関係する歴史的資料の保護・保存技術の開発や啓蒙、他団体との連携・支援などに取り組む完全非営利の民間団体。本部は東京世田谷の等々力にある。
公式サイト:https://www.gamepres.org/
『ゲーム・エイド(ゴーストハウス)のヒントお答え集』とは
『ゲーム・エイド』誌は、雑誌広告などで通信販売されていたゲーム攻略情報で、1980年代のアドベンチャーゲームを中心に各ゲームの攻略情報(解法)を記載していた、B6サイズ数ページの簡易印刷冊子でした。
この冊子は、初期(1984年5月)は『ゴーストハウス』という名称でしたが、1984年12月号からは『ゲーム・エイド』という名称に変更されています。 誌面には回答部分に赤い紙が使用されており、当時のコピー機が白黒のみしか判別できなかったことを利用したコピー対策となっていました。
誌面には簡潔に解法そのものが載っているので、詰まってしまった部分のみを見るのがおすすめです。
当時のグラフィックアドベンチャーゲームは、シーンから想像力を膨らませ、試行錯誤するのも楽しみの一部でした。とはいえ、ゲーム中にヒントが少なく、1箇所の進め方がわからないだけで、その先のすべてのシーンが見られないため、この解法一つ一つには大きな需要がありました。
こうしたゲームメーカー非公認のゲーム攻略情報が、冊子として通信販売されていたというのは、インターネットのある現在からすると想像しにくいことですが、インターネットどころか攻略本自体が存在しない時代に、ゲームの攻略情報は非常に大きな需要があったのです。
なお、『I/O』誌1984年7月のゴーストハウスの広告によると、「テキスト版以外のアドベンチャーは何でも出す」との記載があり、実際にアドベンチャーに限らず、さまざまなゲームが意欲的に追加されていきました。

