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5代目担当ディレクターが回想する90年代のビートルズシーン|ビートルズのことを考えない日は一日もなかった 特別対談 Vol.19 森俊一郎

ポールの紙ジャケが起点となったカタログ活性化の動き

ウイングスのライブアルバム紙ジャケ復刻盤

竹部:それも読んでみたいです。が、森さんの話も十分面白いです。あらためて90年代のビートルズシーンの真ん中にいたことをどう思いますか。

森;安っぽい言葉ですが、本当にいい勉強させてもらいました。こんなにいい勉強できる素材は他にないので。レコード会社でカタログを扱う仕事をしている立場の人間としてはなおのこと。99年に僕がストラテジック部に移ったのは、カタログを扱う部署でしっかり仕事をしたいと思ったからでした。そのきっかけは、ポールの紙ジャケだったんです。その当時、現役アーティストのカタログは洋楽部の管轄で、カタログの部署では扱うことができなかった。ポールは現役なのでカタログは洋楽部の管轄なのだけど、紙ジャケに関してはストラテジック4部というカタログの部署で扱うと言ってきた。それは越権じゃないの?って僕が言ったところから始まって、その解決策として「カタログの定義をちゃんとしましょう。ビートルズの関連のカタログをストラテジックに移管しては」と提案したんです。したら、「じゃあ君がストラテジック部に異動してカタログを担当したほうがいい」ということになったんです。

竹部:当時のレコード会社は、それほどカタログに積極的ではなかったですよね。東芝が先駆でした。ストラテジックという言葉も新鮮でしたし。ストラテジックとは戦略的とかそういう意味じゃないですか。懐古という意味ではない。

森:そうですね。だから、それはやっておいて正解だったと思います。

竹部:森さんのこだわりは『ウイングス・オーヴァー・アメリカ』ですよね。

森:LP時代は3枚組で、CD化で 2枚組になったから紙ジャケも2枚組で出そうとしていたから「そうじゃない」と言って3枚組した。そこだけは絶対譲りませんでしたよ。

竹部:思い入れがあるからですか。

森:高校生のときにリアルタイムで買ったレコードだったという思い入れもあるけど、紙ジャケとして再現するんだったら、徹底的に再現しないといけないという思いが強かったんです。それはお客さんに対して嘘をついていることになるんじゃないかと思って。それはその後のジェスロタルの紙ジャケにも繋がってくんですけど。

竹部: XTCの完全復刻にも驚きました。

森:そこから紙ジャケというフォーマットが注目されてひとつのマーケットが出来上がっていった。ウイングスの3枚組はきっかけのひとつだったと思います。

竹部:なるほど。紙ジャケの話は尽きません。そろそろまとめに入りたいのですが、森さんは今でもビートルズは聞きますか。

森:突然、『リヴォルヴァー』が聞きたくなって、どうしても「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」を聞かないと収まらないときがあるんです。理由はわからないですけど(笑)。でもこの曲を最初に聴いたのは、フィル・マンザネラの801っていうプロジェクトがライブでカバーしてバージョンなんです。

竹部:それは知りませんでした。

森:前に藤本さんのトークショーに呼ばれて、「ビートルズ体験を語ってください」って言われたとき、その曲の話から始めた記憶がありますよ。そのイベントではスージー&バンシーズの「ディア・プルーデンス」という、ちょっとひねくれたカバーもかけた。リアルタイム体験世代ではないと、入口は色々ですよ。でも色々なんだけど、ロックを聴いているとどこかで必ずビートルズに出会うんですよね。気が付いてない人もいると思うけど。

竹部:ビートルズが好きって言うとなんか当たり障りのない感じがするけど、そうじゃないですよね。駆け足で色々聞いたつもりが『セッションズ』とかヒプノシスのことを伺うのを忘れていました。ぜひまた第2弾やらせてください。

森:吉野家七味という名前でnoteを書いているので、ぜひ検索して覗いてみてください。

竹部:吉野家七味?

森:吉野家の七味が好きなんですよ。牛丼に辛くない七味をたくさんかけて食べるのが(笑)。

竹部:僕も吉野家の味噌汁が好きです。お湯を注いでいるだけなのになんかおいしい。

森:僕は完全に吉野家派なので。

竹部:僕もです(笑)。今日はありがとうございました!またぜひお願いします。

森:こちらこそありがとうございました。楽しかったです。また会いましょう。

吉野家七味note
https://note.com/yoshinoya_7mi

配信元: Dig-it

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