「異世界のふたりが出会った瞬間から、いつか来る別れを想像して泣いてしまう」
これは「プリキュアファンあるある」の一つですが、こうした展開こそ「村山功」氏がシリーズ構成を手掛けるプリキュア作品の真骨頂ともいえるのです。
シリーズ構成、村山功が描く「ガール・ミーツ・ガール」
「キュアエクレールの正体は誰なのか?」
現在放送中の「名探偵プリキュア!」(以降「たんプリ」)では、こんな話題が大きな盛り上がりを見せています。
「初夏の追加プリキュア」はプリキュアシリーズの恒例行事ですが、今回は公式サイドがあえて変身候補者の4人を提示して視聴者に予想してもらう、という初のイベントを組み込んできました。
子ども向けアニメを基本としながら、WebやSNSを駆使して子どもから大人までを巻き込んでいく戦略は、まさに「令和時代のプリキュア」となっています。
さて、そんな「たんプリ」のシリーズ構成(脚本の責任者的立場)を務めているのが村山氏です。
同氏がプリキュアのシリーズ構成を手掛けるのは3作目。
2016年「魔法つかいプリキュア!」(以降「まほプリ」)、2019年「スター☆トゥインクルプリキュア!」(以降「スタプリ」)、そして今作「名探偵プリキュア!」。
いずれも「熱量の高すぎる濃いファン」を多く生み出した名作です。
もちろんプリキュアの内容はシリーズ構成だけで決まるものではありません。
多くのスタッフによる共同作業であり、プロデューサーやシリーズディレクター(監督)の意向などが作品の方向性に大きな影響を与えます。
そのため「これは村山功がシリーズ構成だからこうなった」と単純に語ることはできません。
それでもなお、村山氏がシリーズ構成を務めた3作品を見渡すと、そこにはわれわれプリキュアファンが愛してやまない「村山功イズム」ともいえる共通点がいくつも見えてきます。
異なる世界の少女が出会う「ガール・ミーツ・ガール」
村山氏がシリーズ構成を手掛けた3作「まほプリ」「スタプリ」「たんプリ」を見渡すといくつかの共通点があります。
最大の特徴ともいえるのが「異なる世界の少女が出会うバディもの」です。
女の子二人の強い結び付きを描く「ガール・ミーツ・ガール」の物語を描かせたら、村山氏はプリキュアでも屈指の脚本家なのです。
「まほプリ」の「朝日奈みらい」と「十六夜リコ」。
「スタプリ」の「星奈ひかる」と「羽衣ララ」。
そして「たんプリ」の「明智あんな」と「小林みくる」。
まほプリでは「ナシマホウ界(人間界)と魔法界」、スタプリでは「地球と宇宙」、そして、たんプリではついに時間を超越して「1999年と2027年」という、異なる世界に生きる二人が出会うところから村山功キュアの物語は始まります。
そして、それは同時に「いつか必ず訪れる、切ない別れの物語」でもあるのです。
村山功シリーズ構成作品は、この「出会いと別れ」が非常に丁寧に、かつエモく描かれ、ファンの心に残り続けているのも特徴です。

