2026年6月26日、台風と地震という天災が重なる不穏な雨の新宿で幕を開けた「新・怪談祭り」。日本における芸人怪談ライブの先頭を走っていた先駆的なイベントが、なぜ12年もの間、封印されていたのか。その理由から語られた怪異の真相、そして今後の興行としての展望までを追った。
■ “除霊代がギャラ超え”で活動休止──怪談イベントが封印された真相
これほど濃厚な空間が、なぜ12年間も封印されていたのか。その理由は、このイベントが持つ「本物度」の裏返しであり、怪異が実際の生活と懐事情に牙を剥いたリアルな裏事情だった。
主催の鬼ヶ島・アイアム和田が終演後の楽屋裏で明かしたところによると、当時、怪談を続けるうちに自身の周囲で怪異が頻発。「怪談の仕事のギャラよりも、霊に取り憑かれて払う除霊のお金の方が高くなってしまい、仕事を断る時期があった」という、嘘のような本当の“逆転現象”が起きていたのだ。
当時はYouTubeなどのプラットフォームもなく、ライブギャラやDVDの収益だけでは除霊代の負担に耐えきれず、「やってらんねえな」と一度は身を引いた和田。しかし最近になり、別のお笑い界の怪談会に呼ばれたことで実体験怪談への熱が再燃。当時の仲間に声をかけると全員が即答で集結し、今回の復活へと繋がった。
■ 12年ぶり復活──怪異の伝承が途切れたまま幕が開く
しかし、そんな血に抗うようにして迎えた復活のステージで、前代未聞のギャップが一同を襲う。
オープニングトークでは、12年前のレギュラーであるアイアム和田、本田兄妹のあやの、國澤一誠の3名が登壇。かつてイベント中に「灰皿が突然割れた怪異」について、和田が楽屋裏で「当時お忍びで客席に来ていた元カノの強い生霊の念が原因だった」と明かすなど、伝説の夜を回顧した。
ここで和田が「12年前の怪談祭りに来たことがある方、いますか?」と客席に問いかけると、なんと手を挙げた観客はゼロ。当時は帰りがけのトイレに「塩で手を洗いたい」という観客の大行列ができるほど話題を呼んだイベントだったが、怪異の伝承が完全に途切れた「空白の12年」の不気味さを証明するかのような幕開けとなった。
しかし、出演者一同がズッコケる中で和田が「では、今日は完全に新しい一夜になりますね」とまとめると、会場には一気に“新章の始まり”への期待感が広がった。今宵はレギュラー3名に加え、新たなゲストとしてお笑いコンビ・夫婦ミウラと、花ブービーの水上あめんぼの2名を迎えた新体制でスタートを切った。
