4. 屋宜家
沖縄そばは、野菜や海藻が入ることで、そのおいしさが増幅する麺料理だと思っている。野菜は野菜でも、海藻は海藻でも、なんでも入れればよいわけじゃあない。フーチバー(ヨモギ)やアーサー、ネギ、パクチー、ルッコラなど薫りの良さと食感の楽しさがあるもの。
肉入りも絶品だが、徹底的に野菜と海藻だけに特化した沖縄そばは至高。ということで、間違いない野菜系沖縄そばが食べられる「屋宜家」に行った。ここ、アーサーがたっぷりと盛られたアーサそばが人気。そのためか、メニューには複数のアーサそばのバリエーションが存在する。
同じアーサそばでも、アーサそばの本ソーキ入り、三枚肉入り、肉ミックス入り、肉なしがある。今回はアーサを徹底的に楽しむため、肉なしのアーサそばを注文した。そこに特製の梅干しと、しーくぁーさージュースをプラスした。
徹底的にアーサーが丼を埋め尽くしている。あまりにもアーサーが多いため、スープの色もグリーンに染まるほど。そして立ち昇る薫りも至高。ズズッとすすれば、アーサー特有の薫りと、甘味感じる出汁の薫り、その双方が味覚と嗅覚を包み込む。
実に旨味が濃くて深い。そしてスープはやや甘めに仕上がっており、そこでかじる梅干しのギュンギュンくる酸味がたまらなく味覚を刺激して甘美。優しい甘味とコクからの、パワフルな刺激。うまい、うますぎる。もし屋宜家に行くことがあれば、このアーサーの美味しさをぜひともむ体験してほしい。
「屋宜家」(沖縄県島尻郡八重瀬町大頓1172)
5. OKINAWA SOBA EIBUN
数ある沖縄そばのなかで、特に注目を集めている沖縄そば屋をひとつ選べといわれたら、間違いなく「OKINAWA SOBA EIBUN」は候補に挙がるだろう。ここの沖縄そばは、従来の沖縄そばの「域」をブチ破るような、独自性に富んだ沖縄そばを創造し続けているらしい。
目の前にやってきた野菜だらけの沖縄そばは、野菜が大好きな筆者にとって極めて魅力的だった。徹底的にグリーン、いわゆるオールグリーン。しかもこれ、麺もフーチバーを練りこんでいるので、完全に野菜系に仕上がっている。パクチーはあとから丼に盛るスタイルだ。
さっそく食べる。うまい、うますぎる。どうして筆者がヤサイ系の沖縄そばが好きなのかを語ろう。沖縄そばの柔らかく旨味が濃い汁は、フーチバーやネギなどの薫り高く「ほんのり苦味がある野菜」と相性が良いのである。
それら野菜の苦味と薫りが、汁の旨味と甘味、そして麺の小麦感を引き立ててくれるのである。これがもう、永遠に食べ続けられそうなくらい絶品。フーチバー麺は食べるたびに薫りが広がる。いい、このフーチバー濃度、確かに今までの沖縄そばにはないかもしれない。
気がつけばペロリと完食していた筆者。ここで初めて気がつく。ここ「OKINAWA SOBA EIBUN」は、沖縄そばの可能性を広げつつも、誠実に、真摯に、沖縄そばという食ジャンルをリスペクトしていると。
気がつけば「こういうのがいいんだよ」的な沖縄そばの「昔ながらの味」を堪能している自分がいたのである。新たな沖縄そばを生んだというより、従来の沖縄そばをメガ進化させたといったほうが適切だ。フーチバー麺はその最たるものかもしれない。
訪れる客の「沖縄そば欲」をしっかりと満たしてくれるし、今までにない感動も与えてくれる。
「OKINAWA SOBA EIBUN」(沖縄県那覇市壺屋1-5-14)
