プーチンの戦争指導そのものを内側から揺さぶりかねない
もちろん、現時点のロシア軍にクーデターを起こす気力も求心力もないだろう。だが、燃料危機で経済が疲弊し、戦況が不利に転じた今こそ結束すべき国防の2トップが争い、停戦という国家の命運を左右する局面で軍が統制を欠く。
交渉が進めば、ゲラシモフが積み上げた虚偽の戦線地図と現実の接触線とのずれが白日の下にさらされ、誰かが責任を取らされる。保身に駆られた軍幹部の内紛は、そのとき一段と激しさを増すだろう。
粛清で骨抜きにされた官僚機構、虚偽報告で成り立つ戦争指導、そして交渉への公然たる不満。ショイグ解任から始まった国防省分裂の足跡は、交渉が本格化すればするほど深まり、プーチンの戦争指導そのものを内側から揺さぶりかねないのである。
文/東銀座コンフィデンシャル

