「私自身の悲願」消費税ゼロ化はどうなったんだ
選挙後、野党に呼び掛ける形で「国民会議」はスタートしたが、それがいつの間にか政府内で「税率1%」案にすり替わっている。
今年1月に消費税ゼロ化が「私自身の悲願」と言ったのは高市首相自身である。2025年5月には「国の品格として食料品の消費税率は0%にするべき」とも発言していたはずだ。
衆院選公約で「ゼロ」を掲げていたにもかかわらず、いつの間にか「1%」と修正しているのだから国民に不満が充満していくのも無理はない。女性初の宰相としての期待感はあったものの、「高市、お前もか!」なのである。
あえて言えば、来年から飲食料品の消費税ゼロ化が実現したとしてもリアルタイムで進行する物価高騰から国民生活を守り抜いているとは言い難い。
国民民主党の玉木雄一郎代表は記者会見で「肝心の物価高騰対策が遅れ、期待を裏切られたと感じる人が増えているのではないか」と指摘。立憲民主党の水岡俊一代表も「国民の理解が得られない法案のゴリ押しが不評を買っている」と分析している。
今後の高市政権の行方を知る上で重要なポイントがある。それは、自民党と日本維新の会という巨大与党が連立政権合意書に記した「衆院議員の定数削減」と「副首都構想」関連法案の取り扱いだ。
与党は審議入りを強行したが、衆院議員定数を1割削減する法案は野党の賛同が得られないと判断して今国会での成立を見送った。
「大阪都構想」実現を悲願とする維新は副首都構想関連法の成立に躍起で、国会は会期末(7月25日)までゴタゴタが続く異常事態となった。
なぜ? 高市政権の行方を左右する2つの法案
なぜ、この2つの法案の取り扱いが「重要」なのかと言えば、それが高市政権の行方を左右するからだ。ただ、その舞台裏は国民そっちのけの深謀遠慮とも映る。
首相は消費税ゼロ化が「悲願」とまで言い切ったが、真の悲願は「憲法改正」にある。尊敬する安倍晋三元首相でもやり遂げられなかった憲法改正を実現したいという思いは、第2次安倍政権の首席秘書官だった今井尚哉氏を内閣官房参与として起用していることからもわかる。
憲法改正と定数削減がなぜリンクするのかと言えば、その答えはシンプルである。
高市首相は自民党の鈴木俊一幹事長に衆院比例代表のみ45議席削減する案で意見集約を図るよう指示したが、この案に対しては国民民主党の玉木代表が「自民、維新に有利な中身で出してくるということであれば、我が党のみならず他の野党もなかなか『はい、そうですか』とはならない」と反発した。

