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「Origamiにヒントを得た」100%リサイクル可能な素材で製品を安全に届ける、アップルの「パッケージング・ラボ」を初取材

何度も試作して、パッケージを作る

現在のアップルデバイスを包む複雑な紙のパッケージは、この施設で試作される。図面を入れると大きなプロッタ式のカッターが紙を切り、折り目をつけるべきところに折り線を入れてくれる。

切り抜かれた紙を折り畳むと、Apple Watchなどのパッケージができ上がる。

パッケージの制作には日本の『Origami』を参考にするという。先ほど動画でお見せしたWoven Paperの工場も日本のようだし、紙素材も日本から輸入するものが多いのだという。

現行Apple Watchのカバーもプレスされた紙で作られているが、これもまたこのラボで試作されたものだ。

このラボには世界中からさまざまな紙が集められており、特殊な用途のパッケージで使うべく日々研究が続けられている。銘柄などは極秘とのことだが、日本から送られる紙も多いという。

繊細な紙素材とその活用においては、日本に深い技術があるのかもしれない。だとすれば、その導入には昨年取材した横浜市綱島のApple YTC(横浜テクノロジーセンター)が窓口として役に立っているのかもしれない(取材時間が限られていて確認はできなかった)。

iPhoneなどのパッケージを包む緩衝材となるダンボールもここでデザインされる。

年間約2億台(売上などからの筆者推定)に及ぶiPhoneのパッケージが、わずかでも大きければ輸送コストは増すし、CO2排出量も増える。

再生可能なパッケージで、かつ輸送の際の衝撃を吸収し、世界中に安全に製品を届ける。簡単なようでいて非常に難しいことだ。十分な強度を与えたいところだが、無駄な重量、無駄なサイズはコスト増、 輸送CO2増に繋がる。

たとえば、Mac miniやMac Studioのパッケージを分解すると、段ボールを折り曲げたクッションが内蔵されていることが分かるだろう。これは、『Origami Cushion(オリガミクッション)』と呼ばれており、輸送中の振動や落下からデバイスを守る役目を果たしている。

 

パッケージが商品を守り切れるかのテストもここで行う

梱包は丈夫な方がいいが、前述のように、過剰な梱包はコスト増、輸送CO2増に繋がる。

そのため、どのようなパッケージが必要で、また不必要なのかをテストするのもこのラボの役割だ。

これはパッケージの落下テスト施設。耐久性ラボで、商品自体の落下テストを行っているのを取材したことがあるが、こちらではパッケージの落下テストを行っている。

落下させて高速度撮影を行い、パッケージがどのように衝撃を吸収し、また壊れるのかを観察する。

こちらは、振動テスト用の台。

飛行機、トラックなど、さまざまな輸送で発生する周波数の揺れを発生することができ、その周波数で何が壊れるかなどをテストする。たとえば、工場から南米のストアまで、飛行機で何時間、トラックで何時間運ばれるかのデータに基づいて、同等の振動を与えてパッケージの傷みを計測することができる。

ちなみに、ここでも「日本はいいんだけど、国によって荷物が投げられたりすることもあるから……」という発言があったので、そういう国によっての違いもデータ化されているようだ。

そのための仕掛けがこちら。

これはダミーパッケージで、本物のデバイスのパッケージに混ぜて各国に輸送される。中には、衝撃、振動、温度、湿度など、ありとあらゆるデータを計測し、記録するセンサーが内蔵されおり、世界各国に輸送される際に、製品がどのような条件に晒されるかを計測することができる。

40度以上の高温や、氷点下20度といった低温にさらされることも、90%以上の湿度にさらされることもあるが、そのような環境下でも接着剤が剥がれたり、段ボールが歪んだりせず、安全に製品を届ける必要がある。

上記のダミーパッケージで計測されたデータに基づいて、温度や湿度のテストをするのがこちらの施設だ。

iPhoneや、MacBook、そしてiMacやStudio Displayのような大きな製品を輸送するパッケージを、入れてテストするための設備が存在する。一番大きな設備は人が入れるほど大きい。

アップル製品のパッケージをじっくり観察して欲しい

iPhoneやMacBookを購入して、その製品が届いたら、ぜひその製品パッケージもじっくりと観察してみて欲しい。

現在のアップルデバイスのパッケージは、すべてが、リサイクル可能な紙を中心とした素材でできており、なおかつ『開けた時の歓び』に満ちており、製品をユーザーの手元まで安全に届けるべく工夫されているのだ。

また、リサイクル可能なパッケージとしては、他の多くの電子デバイスを生産する企業の手本となるべく設計されているとも思う。

この記事を見ながら、そんな工夫と努力に思いを馳せていだだけると幸いだ。

(村上タクタ)

配信元: Dig-it

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