本当に次世代を思うなら、やるべきことは1つ
つまり彼らが本当に守りたいのは、財政規律ではない。自分たちが握るカネそのものだ。減税に頑なに抵抗するのは、権力者として手にしているカネが、直接減ってしまうからにほかならない。
「財源がない」——その一言は、財政を憂える良心ではない。国民のカネを手放したくない側が、減税を止めるために唱える呪文にすぎないのだ。
もし小渕氏が本当に「次世代にツケを残したくない」のなら、やるべきことは1つしかない。
2011年に「速やかに法案提出する」と約束しながら、年も十余年も棚に上げてきた社会保障の給付抑制——その"減らす方"の約束を、今度こそ法案にして国会に出すことだ。
取る話だけを片づけ、減らす話を先送りし続けてきた側に、減税を「次世代へのツケ」と呼ぶ資格はない。順序が、まるで逆なのである。
消費税を上げた者が、次世代にツケを回してきた。まずその事実を認めることだ。そして納税者の側も、「財源がない」という財政規律の脅し文句に、もう屈する必要はない。
減税とは、政府に握られたカネを、国民の手に取り戻すこと——本当の意味での「次世代のための財政」は、そこから始まる。
文/オオサワ・キヌヨ

