・始発で酒を飲みに行く世界
今回訪れたのは土曜日。営業時間は10時から12時。なんと土日は朝しか営業していない。
更に事前に宇ち多゛有識者へ話を聞くと、
「土曜日は始発くらいで行かないと入店できませんよ」
と言われた。
始発!? 酒を飲みに行くために!? 朝活にもほどがあるだろ。
最初は「10時前に着けば十分でしょ」と思っていたのだが、とんでもねえ。有識者の言葉を信じ、当日はほぼ始発の電車に乗って京成立石へ向かった。
そして駅へ着いたのは朝7時。
駅を降りると、どこからともなく香ばしい匂いが漂ってくる。おそらく宇ち多゛からだろう。この時間なのに、街全体がもう酒場モードである。
店へ向かうと、当然ながらシャッターは閉まっている。……が、店の前には誰もいない。
本当にここで合ってるのかと一瞬不安になり裏手へ回ってみると、そこには店員さんの姿が。どうやら受付は店の正面ではなく裏手で行うらしい。
初見だとかなり分かりづらいので、これから行く人はまず裏手へ向かうことを覚えておくといい。
また、宇ち多゛には整理券がなく、自分の番号を覚えたまま、指定された時間に再集合するシステムだ。我々は9時20分頃に再び店の前へ来るよう案内された。
ちなみに我々は朝7時到着で30番台。店員さん曰く、一番早い人で5時台から来てる人がいるそう。ガチすぎんだろ!
酒を飲むために5時起き。もはや健康なのか不健康なのかよくわからんが、これで無事に入店権は確保。
……なのだが、新たな問題が発生する。
早朝すぎて時間を潰す場所がない。
周辺を散策してみたものの、開いている店は駅前の松屋くらい。
ということで、結局松屋で時間を潰しながら、
「シロ・タレ・よく焼き!」
「ボイル・ハツ・1本ずつお酢!」
などと、友人と注文の予習をすることになった。
酒場へ行く前にコールの練習をする人生になるとは思わなかった。
・もはや受刑者の点呼である
気付けば時刻は9時20分。
再び店の前へ戻ると、人で溢れかえっていた。すると店員さんが、
「30番!」
「31番!」
「32番!」
と番号を呼び始める。
呼ばれた人から順番に店の前へ並んでいく。もはや受刑者の点呼である。
その後、第一陣が店内へ。我々第二陣は店の外から、窓越しに先輩たちの様子を眺めながら待機する。この光景、なんだか部活のベンチからレギュラーを見守っているような気持ちである。
そして待つこと30分ほど。ようやく我々も店内へ案内された。
酒飲むのに店へ入るだけでここまで苦労した酒場は人生初だ。
