温度差が10℃以上あると脳梗塞が急増する

生活習慣

生活上のポイントで最も重要なのは、こまめに水を飲むことです。特に、発汗で水分が失われる夏は、しっかり水分を補給しましょう。夏に脱水気味になると、血液がドロドロになって脳梗塞の危険が高まります。

なお、水分補給には、水以外の食事を使うのもお勧めです。野菜や果物、スープなどを、うまく活用するといいでしょう。

ただし、スポーツドリンクなどの糖や甘味料を含む飲み物は、普段の水分補給には向きません。水や麦茶を、積極的に飲むようにしてください。

加えて、温度差に気をつけることも大切です。

冬場の温かい部屋と寒い外の温度差、夏場のクーラーの効いた部屋と暑い外の温度差は、いずれも血管に負担をかけて脳梗塞のリスクを高めます。特に、室内外の温度差が10℃以上になると、脳梗塞が急増するとわかっています。

冬の外出前には、5分程度、軽いストレッチや手足を大きく動かす足踏みなどを行うと、血流がよくなって温度差の影響を少なくできます。その上で、十分に温かい服装で出かけるようにしてください。

夏は、外との温度差が10℃以内になるようにクーラーを設定しましょう。除湿運転で湿度を減らすだけでも、体感としての暑さは和らぎます。

運動

適度な運動は、血圧を安定させるとともに血流を促し、血管を丈夫にするため、脳梗塞予防に役立ちます。自分の体力に応じた運動を、できれば毎日、無理なら1日おきや3日に一度など、無理のないペースで定期的に継続するのがポイントです。

40〜50代の人は、軽く汗ばむ程度の速足ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなどを1日30〜45分程度行いましょう。60代以上なら、1時間程度ゆっくり散歩するだけでも効果的です。腕を振り、太ももをしっかり上げて全身を動かす意識を持てば、効果が倍増します。

ただし、普段から運動不足の人は急に強い運動をせず、徐々に慣らしてください。体調が悪いときは、無理せず休みましょう。また、運動後は忘れずに水分を補給してください。

脳梗塞の最大の敵は、何と言ってもストレス。楽しめる趣味を持つことや、気持ちに余裕を持つことは、脳血管の健康にも役立ちます。できそうなことから取り入れて、脳梗塞の予防にお役立てください。

この記事は『安心』2022年3月号に掲載されています。

画像参照:https://www.makino-g.jp/book/b599545.html