食後に耐えられない眠気が襲ってくる、疲労感やめまい、ふるえ、全身の痛み、動悸、うつ症状など原因不明の不調に悩んでいたら、低血糖症の疑いがあります。通常の検査では発見されない「隠れ低血糖」に、とても効果があるのが、肉をしっかり食べる・食事の最初に食べる・朝食に食べる、「肉ファースト食」です。【解説】溝口徹(みぞぐちクリニック院長)

解説者のプロフィール

溝口徹(みぞぐち・とおる)

みぞぐちクリニック院長。1964年、神奈川県生まれ。福島県立医科大学卒業。横浜市立大学病院、国立循環器病センターを経て、1996年に辻堂クリニックを開設。2003年、日本初の栄養療法専門クリニックである新宿溝口クリニックを開設。2021年には現在のクリニック名で東京・八重洲に移転。オーソモレキュラー療法に基づくアプローチで、多くの疾患の治療にあたるとともに、患者や医師向けの講演会も行っている。『お酒の「困った」を解消する最強の飲み方』(青春出版社)、『心の不調の9割は食事で治る』(フォレスト出版)など、著書多数。
▼みぞぐちクリニック(公式HP)

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医師でも知らないことが多い「低血糖症」とは

低血糖症。そう聞いても、糖尿病やインスリノーマという病気の人以外は、ピンとこないかもしれません。しかし、もしあなたが疲労感やめまい、ふるえ、全身の痛み、動悸、うつ症状など原因不明の不調に悩んでいたら、低血糖症の疑いがあります。

一般的な低血糖の症状は、インスリンなどの糖尿病の治療薬が効き過ぎて、急激に血糖値が下がることで起こります。

一方、低血糖症は、血糖値が下がるだけではありません。血糖値が急激に上がった直後にストンと落ちたり、乱高下したりするのです。

健康な人なら、血糖値は食事をするとゆるやかに上昇し、140〜150mg/dlをピークに下降します。そして、2〜3時間後には、元の空腹時の血糖値に戻ります。この血糖の調節がうまくできず、異常な値の波形を描くのが低血糖症です。