【お悩み5】大好きなパンジーとビオラにケムシが!

Paula Savelius/Shutterstock.com

パンジー、ビオラが大好きなんですが、必ず春になると、黒いケムシがつきはじめて嫌になります。噴射式の殺虫剤などは虫がつく前にするほうがよいのでしょうか? あまりやりすぎると花への影響はありますか? 土の上に置くタイプの方がよいですか? (40代・女性・近畿)

関さんの答え

噴射式の薬剤ですが、即効性タイプのものは、既に発生してしまった虫に対して効果をもたらすものなので、予防的に撒いても意味はないです。予防的な措置としては、粉末の『オルトラン』を土に撒き、植物の耐性をつけてあげるのが一番だと思います。2〜3月あたりに撒いておけば、うどんこ病の予防にもなるので、おすすめです。それでも付いてしまった場合は噴射式の出番です。

花への影響ですが、これは、ほぼ無いと考えて大丈夫です。ひと昔前のフロンガスを用いた噴射式殺虫剤だと、至近距離で噴射することによってフロンガスが花芽を凍らせ、駄目にすることもありましたが、今のスプレーはそのようなこともなく、また、薬剤が花に影響を与えることはないので、心配には及びません。『ベニカX』あたりがおすすめです。

  • 余談ですが 

これはうちのお客様にもよく言うのですが、パンジーやビオラは、10月の後半から11月ぐらいに適期で植え付けをして、長いものだと4月まで、条件によっては梅雨入り前まで楽しめる花です。4月にはもう他の春の花や、5月ともなると夏の花が店頭に並んでいます。その時点でモコモコになったパンジー、ビオラの病害虫対策にお金をかけて延命するよりも、ペチュニアなどの春のお花を楽しむという選択肢もあるということを留めておいてください。

nnattalli/Shutterstock.com

ビオラもパンジーも、梅雨時になれば、必ずうどんこ病になって、アブラムシもついて、縦に伸びて、パターンって倒れる、というのが定番です。背が伸びすぎたその状態をよしとするのか、それでも薬をあげて延命するのがいいのか、どちらの選択肢がいいのかは、一年草との付き合い方としては永遠のテーマですね。僕らの場合は、4月を過ぎて延びきっちゃったら、もう切っちゃいます。150円くらいであの可愛らしい花を5カ月間も楽しめるわけですから、病害虫に蝕まれて無残な状態になってさよならするよりは、3〜4月、アブラムシが付き始めたころに、まだ花も綺麗なうちに切ってしまったほうが…、とお客様には言っています。延命しても、種子がこぼれない限り、来年咲くことはないですからね。

(広告の後にも続きます)

おわりに

いかがでしたでしょうか? 園芸=虫や病気との戦い、とは、さすがに説得力がありますね。ただやっぱり、嫌なものは嫌ですよね(笑)。水でアブラムシを飛ばすという原始的な方法は、確かに地球環境にも優しくて積極的に利用したい方法ですが、飛ばす方向に注意を払う必要がありますね。編集部にも、植えたゴーヤの花にアブラムシが付いてしまい、野菜なので薬剤を使うかどうか迷っているスタッフがいまして、水で飛ばしの技、早速試してみるそうです。園芸店さんのアドバイスには、普段から街の皆さんとのふれあいがあるからこその説得力があります。ガーデンストーリーでは、今後も関さんにさまざまな質問をぶつけていきます。次回もお楽しみに!

取材協力