外貨建て保険商品の選び方


プランABC
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これらメリット、デメリットを踏まえ、外貨建て保険を選ぶ場合のポイントを考えてみましょう。金融商品を選択する際には、「流動性」「収益性」「安全性」の3点のうち何を重視したいかという目線を持つと整理できます。

外貨建て保険は、一定期間内に途中解約すると(外貨ベースで)元本割れをするため、為替レートがかなり円安に振れていなければ円で受け取った時の手元の資金は目減りしてしまいます。そういう意味では、「流動性」に欠ける商品といえます。また、途中で資金が必要になり解約せざるを得ないという時に、保障も同時になくなってしまうのも難点です。ですので、契約金額はあまり無理のない範囲にとどめ、保障が不足する分は掛け捨て保険と併用するということも検討しましょう。

次に、「収益性」という視点です。外貨建てにすることで、円建てより 解約返戻金や満期金、保険金も期待できます。特に、相続対策などで一生涯死亡保障があった方が良い、資産を多く残したいという場合は、「払った金額より多くの資金が死亡保険金として遺族に残せる」「保険金を相続税の納税に使ってもらえる」などでレバレッジを効かせられるのが魅力です。一方で、保障にはコストが掛かっているため、人によってはそもそも保障がいるのかどうかも合わせて検討する必要があります。

また、貯蓄が苦手だから、敢えて保険で積み立てているというのもよくある話です。口座振替などで強制的に払い込みをし、解約する時も手間が掛かりそうという心のハードルがあることが、貯金が苦手な人にはかえって有効な手段かもしれません。

最後に、「安全性」。外貨建て保険は為替リスクを伴います。外貨の方が円より増えると思って外貨を保有しているのだから仕方ありません。リスクとリターンはトレードオフの関係ですから。保障が不要なら、つみたてNISAを検討するのも手です。なお、万一保険会社が破綻した場合は、生命保険契約者保護機構により保護されます。

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まとめ

今回は、外貨建て保険についてメリット・デメリットをみてきました。今回のテーマである外貨建て保険をやってはいけない人はどんな人かをまとめます。 

・商品内容が理解できない人
・為替リスクの影響で、保険料が上がることを避けたい人
・為替リスクの影響で、受取額が目減りする可能性を排除したい人
・早期に解約をするかもしれない人
・死亡保障が不要で運用効率を重視したい人

外貨建て保険に限らず資産運用への関心が高まっていることは良い事です。世間の流行りに乗るのではなく自分には何が合っているのかを考え、最適な金融商品を見つけましょう。

※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。