ビリギャルのその後──ただいま、34歳でアメリカ名門大学院に留学中〔前〕

金髪にミニスカの高2のギャルは、全国模試の偏差値30。勉強には見向きもせず学校でも問題児だった“ビリギャル”が、塾の先生との出会いがきっかけで猛勉強の末、慶應義塾大学に現役合格を果たす──。こんな実話が書籍となって大ヒット、有村架純主演で映画化もされたことで、一躍有名になったのが、この話のモデルとなった小林さやかさんだ。
奇跡的な大学現役合格ストーリーを生み出した彼女はその後、どのような人生を歩んでいるのか。取材を申し込んだところ、なんと今、ニューヨークに暮らし、コロンビア大学の大学院に通っているという。34歳で初の海外留学、しかもアメリカ最難関校に挑戦となると、受験勉強は? 仕事は? 結婚は……??? 大学入学後の10代後半から34歳のいまに至るまでの道のりを語ったインタビューを、3回にわたってお届けする。

書籍がヒットし、ビリギャル本人にもオファーが

こうして、ふたたびウェディングプランナーとして働くようになっていた頃、坪田先生の著書が発売されました。その本が話題になり、ベストセラーとなったことで、ビリギャル本人の私にも講演のお話が来るようになります。

もともと私自身は、ウェディングプランナーを選んだだけあって、自分でマイクを持って人の前に出ていくのはそんなに好きではありませんでした。裏方の仕事をずっとやってきて、誰かを輝かせることが自分には向いていると思っていたので、ビリギャルとしてスポットライトがパンと自分に当たって、最初はちょっとびっくりしていたと思います。

ただ、やっていくうちに、目の前の人を幸せにしているという点では、ウェディングプランナーと同じくらい意義を感じるようになっていったんですね。私の話を聞きたいという人がこんなにいてくださるというのを肌で感じましたし、それまで会ったこともない子どもたちから「さやかちゃんのおかげで人生が変わったんだよ」って泣きながら言われたりする。これはすごいことになっているぞと。


イメージ写真(写真AC)

講演をするようになってもしばらくは、これからもウェディングプランナーをやろうと思っていました。けれど、だんだん「ウェディングプランナーは私以外にもたくさんいて、優秀な人もたくさんいるだろうけれど、ビリギャル本人として、この子たちに影響を与えてあげられるのは私しかいないんだ」と思うようになって、これはウェディングプランナーをやめてでもやる価値があるんじゃないかと考えるようになりました。

先生の本が出版されて1年くらいたって映画化されたあたりでしょうか。そのころの私は、年に100回以上講演をするようになっていました。(中編に続く)