車検証の電子化によるメリットは?


道でスマホをさわる
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車検証の電子化によって、整備業者だけでなく私たちドライバーにとってもメリットがあります。

車検時間が短くなる

これまでの車検は、整備業者が車検を行い、その後、運輸支局に出頭し手続きを済ませて戻ってくるまでの時間が必要でした。電子化後は出頭の必要がなくなるため、車検がスムーズになります。

車によっては最短1時間程度で車検を完了できるともいわれており、これは車検を依頼するユーザーにとっても好都合です。

自分で手続きをする場合もスムーズに

たとえば引越しをして住所が変更になった際などには、車検証の住所変更が必要になります。

こういった手続きは業者に依頼することもできますが、自分で行う場合でも、前述のOSSで手続きを行うだけ。運輸支局への出頭が不要になるので、従来よりもスムーズに手続きできます。

車検証閲覧アプリの活用でさらに便利に

車検証の電子化に合わせて、国土交通省から「車検証閲覧アプリ」がリリースされます。このアプリを利用することで、以下のようなメリットがあります。

・スマホをかざすことで、ICタグ内に格納された車検証の情報を確認できる(PDF出力)
・当該車両のリコール情報をお知らせ
・車検証の有効期間が近づくとメッセージで通知
など

ICタグの情報を確認できるだけでなく、リコール情報や車検切れの通知をしてくれるため便利です。

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デメリットは?


ハンドルをもって首をかしげる女性
【画像出典元】「Roman Samborskyi/Shutterstock.com」

何かと便利になる車検証の電子化ですが、よいことだけではないようです。以降では電子化によって生じるデメリットについて解説します。

有効期限や住所はスマホがないと確認不能

電子化後の車検証では、有効期限や住所が、従来のように車検証本体の表面に記載されていません。スマホでICタグを読み込まないと確認できないため、考え方によっては不便ともいえます。

ICタグの破損に注意しなければならない

ICタグは、高温にさらしたり、折り曲げたりしてしまうと、破損してしまうことがあります。ダッシュボートの上などに長時間放置すると使用不可能になることもあるため、従来の車検証より管理に気を配らなければならない点はデメリットといえます。

車検の検査手数料値上げ

車検の電子化に伴い、2023年1月1日から車検時にかかる検査手数料(法定手数料)が50~500円程度(車種による)、引き上げされました。値上げの背景には、ICタグの装着コストなどが関わっているようです。

以上、車検証の電子化について紹介しました。今回の電子化により手続き関連はスムーズになり、サイズは小型化され持ち運びもしやすくなったため、多くのメリットがあります。一方で、ICタグの読み込み、アプリとの連携など、新しい使い方に変わったことで、人によっては面倒に感じることもあるかもしれません。

いずれにしても選択制ではなく、今後はすべての車の車検証が電子化されていきますので、使い方を覚え上手く活用していきたいところです。