血流がよくなり体が温まるコマ体操

これらの圧痛点をほぐす効果が期待できるのが、頭痛体操①の「コマ体操」(やり方は下項参照)です。その名のとおり、頸椎(頭蓋骨につながる首の骨)を軸として腕を振る体操です。

特に重要なのは、コマのように体を回す際に、「頭を決して動かさない」こと。視線は、正面のどこか1ヵ所に据えて、運動中はその点を見続けます。

緊張型頭痛のあるかたは、ときどき力が入り過ぎて、肩が上がってしまうことがあります。それでは効果が得られないので、肩の力は抜いて、リラックスして行いましょう。また、体操中は、息を止めて力まないようにします。

コマ体操は、座って行ってもOK。仕事の合い間などに取り入れてください。こうして動かすことで、首や肩周りだけではなく、背骨周辺の筋肉群のコリもほぐれていくでしょう。行っているうちに血流がよくなり、体が温まってきます。

1日1分を目安に、正しいフォームで集中して行ってください。このコマ体操は、ふだん動かさないインナーマッスルを使用します。思っているより疲れるので、無理をして長時間行わないようにします。緊張型頭痛、片頭痛の予防のためには、毎日根気よく続けていくことがたいせつです。

緊張型頭痛の場合、実際に頭痛が起こっているときに体操を行ってかまいません。血流がよくなり、頭痛の改善にもつながるでしょう。

一方、片頭痛は、頭痛が起こっているときに体を動かすと症状が悪化します。ですから、片頭痛が始まったら、体操は行わないでください。

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頭痛体操①「コマ体操」のやり方

運動指導:埼玉精神神経センター 田中夏美(体操インストラクター・鍼灸師)

❶両ひじを曲げて胸の高さまで上げる。両手は胸の前で軽くにぎる。

❷頭(顔)は正面に向けたまま、体の軸をコマのようにまっすぐに保ちながら、両腕を左右に180度振る。腕だけを動かすのではなく、肩からしっかり振る。リズミカルに1分間行う。